ってな感じでオレイカルスターファイアブレスレット+2(ドレイン強化)は完成した。
付与無しよりも僅かに性能が落ちているがコレはバランス調整か?
どっちにしてもしばらくは誰かに使って貰って、闇影と会った時にでもプレゼントしておこう。
現状だとサンタペックルが来ても闇影は必要ないけどさ。
ダンジョン攻略終わってるし。
なんとも歯がゆい気持ちになるね。今日は寝ずに技能上げに励むべきだ!
ロミナが謎の対抗心を出している。
まあ、硝子達が定期的に良い素材を持ちこんでくれるもんな。
波が来てアップデートされた後の事を考えれば悪い話じゃないはず。
腕が上がって島から出た後は前線組も驚きの腕前を披露するんだな
そうなるかもしれないね。まあ、職人仲間にはライバルもいたから、ライバルたちを出し抜いて一番の職人になったと自負しても良いかもしれないね。そこまで至れば馬鹿な連中を逆に返り討ちにも出来るだろう
ロミナは俺の方を見て。
むしろ絆くん達の専属鍛冶師でもあると主張しても良いかい? おかしな連中を黙らせるには良い名目なんだが
勝手に呼んでしまったしなぁ別に良いけど、俺達はマイペーススローライフ勢だぞ? 今後もそのスタンスを崩す気は無いし、何処かで落ちぶれるかもしれない。そもそも一番なんて望んでいないが良いか?
そう、結果的に今は、推定最前線らしい所に来てしまっているだけに過ぎない。
いつ落ちぶれるかわからないのも事実だ。
問題ないさ。好きにさせてもらっているのだから名目貸しだけでも良い
それこそ、気に入った連中が居たら直ぐに移籍可能な立場良いかもな
良い人材を絆くんは抱えていると思うがね。硝子くんや紡くんは前線組でも有数の人材だ。闇影くんだって波での成績を見れば他の追随を許さない。そしてアルトくんまでいるんだ。そんな仲間達に囲まれているのに本人は釣り三昧君を見つけてコンタクトを取る方が難しいと思うがね
しぇりるは船職人だから有名とか関係ないか。
なんか島でカスタマイズしている船が海賊船みたいになって来ているのは気にしない方向で行こう。
この中で代表を一応している俺に声を掛けるのは案外難しいのかな?
ま、島を出たら釣りをしているのは決定だし。
俺って何処かで隠居している仙人みたいな生活してる様な?
この考えはやめよう。
さてと、じゃあ良いアクセを作ってくれるブレイブペックルには硝子達の分までアクセサリーを作ってもらうか
その間に素材をゲットすれば良い。
あ!? ったく、面倒な仕事を押しつけてくるんじゃねえペン
ブレイブペックルを再度見つめる。
するとそこには先ほどの様な丁寧と言うか若干ボケっとした様なペックル顔では無く、妙に鋭い眼光になり、口の悪いペックルがいた。
何度も確認する。
おかしいなブレイブペックルなのに反応が違うぞ。
奴隷じゃないペン
おーい
ブレイブペックルの豹変に困惑していると、アルトがこっちに近づいてきた。
絆くん、何かブレイブペックルに命令したかい?
え? ロミナと一緒にアクセサリー作りを指示したけど?
やはりそうか
何か知ってるのか?
ああ万能なブレイブペックルなんだけど唯一の短所があってね
アルトは凄く不機嫌そうにしているブレイブペックルにペックルカウンターで指示を出して移動させる。
人を小間使いみたいに扱いやがって、奴隷じゃないペン!
なんか歩調すらも態度が悪いなー。
しかしその台詞は地味に痛い!
ペックル達全員の総意にも聞こえかねない!
後、お前は人ではなくペックルだ。
ストレスゲージの上がりが物凄く速いんだ。だから何かさせる場合はしっかりと見ておかないとあっという間に増える
なんとそんな短所があるのか
性能が高い代わりって奴か。
勇者ならもっと耐えろよと思わなくも無いが、なんともゲームらしい短所だな。
とはいえ、無難な設定だと思う。
うわ指示を出して放置したらあっという間にヤバイ事になりそう
間違いないね。そしてストレスゲージが50%を超えると、あんな感じで露骨に態度が悪くなる。随分と独特のAIをしているよ
一体どんな設定なんだ?
バックストーリーか何かがあるのかもしれないけどね。調べた限りだと図書館を建てれば少しはわかりそうだね
知りたい様な知りたくないような
まあ、ブレイブペックルは何もさせなくても全てのペックルの能力を二割あげてくれるし、ストレスを下げる為に放置するのが一番なんだけどね
いる事に意味があるタイプか。
宝の持ち腐れなペックルだなぁ。
しかもアルトみたいなしっかりと全ペックルの様子を確認している様な奴がいないといけないとか。
ちなみに城建設だけど五分の一くらい進んでいるって所かな。
まだまだ先は長そうだ。
で、ブレイブペックルにアクセサリーを作らせたそうだけど
ああ、コレだ
オレイカルスターファイアブレスレットをアルトに見せる。
ははは、ロミナくんが廃業になりそうな代物だね
アルト君はまだ懲りていないのかな?
ロミナが指をボキボキと鳴らし始めた。
死の商人VS鍛冶師の対決第二ラウンドが幕開けしそうな雰囲気だ。
ドレイン強化は闇影くん用かい? いや、絆くんの事だから手持ちの素材で何かしたと言う所か、そのついでに闇影くんの機嫌を取れそうな物があったとか
本当に一言多い奴だな。
俺もふざけておこう。
名推理だよ、アルトくん
アルトが苦そうな顔になった。
その闇影くんはどこにいるのかな?
君の様に賢い商人は嫌いだよ
直後にその弓で撃ちそうな悪ふざけはやめてくれないかな?
撃ってもダメージは無いけどな。
未実装の技能、付与をついでにブレイブペックルにさせたんだ
なるほどとは言え、ブレイブペックルに何かを作らせる時は僕に一言相談してからにしてもらって良いかい?
了解
そもそもロミナくんは鍛冶系の熟練度に意識を向けているけれど、基本的なLvを疎かにしていないか? 何だかんだ言って腕力とかも影響するだろう? ちょうどいいから硝子くんや紡くんにあげてもらってはどうだ?
確かに上がりが悪いのもLvの所為かも知れない。良いかもしれないね
そんな訳で、優秀なアクセサリー量産計画はもう少し時間を掛けて作らせる事になり、ロミナは硝子達の方へ手伝いに出た。
絆くん、ちょっと良いかな?
この島なんだが、開拓を進めていると、やはりと思う点が増えて来ているよ
で、島の開拓は着実に進んでいる。
アルトが俺の代わりに色々とペックルを運用してくれたから、見違えるほど発展した。
俺が釣りに使っていたナマズの居た池周りなんて完全に舗装されて池が噴水みたいな感じになっていたし、空き家になっている住居がそれこそ無数にある。
しかし、なんでこんなに家を建てているんだろうか?
僕の推測なんだけど、おそらくここは第三都市に相当する場所なんだと思う
ふむその根拠は?
絆くんも見ていただろうけど、空き家の数だね。ペックルが運営する物もあるんだけど、ロミナくんの工房の様に商店にするのが目的としか言いようのない設備とか、必須建築に含まれている
必須建築は建てなきゃいけない建物の事らしい。
要するにペックルのこれこれを何軒建てるペン』って事だ。
微妙にゲームシステムの匂いを感じる仕様である。
プレイヤーに都市を作らせるとか何を考えているんだ運営とは言いたくなる。
とはいえ、そういうシステム自体を組み込むのは面白い。
一般的なネットゲームとは趣向が異なるんだろうな。
これもゲーム開始から終了まで一律でプレイヤーを管理しているから出来る事なのかもしれない。
他に自由に家を建てる事が出来ない土地も存在するよ。敷地は確保できているけどね
アルトは島の地図を出して説明する。
自由に出来ない土地ね。
普通に考えれば後々何かイベントが発生するとか、そんな所だろう。
後は海辺に桟橋を設置させられて家を建てた。こっちも空き家が多い
マイホームか何かか
借り工房があるんだから当然だろうね
セカンドライフプロジェクトなんだから当然か
しかもリゾート地の様な側面が強いからね。青い綺麗な砂浜もあって、第一都市の海辺よりも遥かに好きな人がいると思うよ
まー元々このゲームはセカンドライフプロジェクトって名目なんだから自由に家を買ってゆっくりする事も出来るんだろう。
そんな住むに適した場所を俺達に作らせるって魂胆はよくわからないし理解しがたい所はあるけど、開拓ってフレーズに面白さを感じる人がいるのは、他のゲームでも証明されているしなぁ。
実際、俺も結構楽しんでいるし。
どちらにしても順調だよ。城とやらもいずれは完成するし、出来上がったらどうなるか見ものだね
早く島から出たいもんだ
巻き込んで置きながらその台詞? まあ良いけどね
なんて感じで俺達の日々が過ぎて行った。
そんなある日の事だ。
海辺でボケーっと釣糸を垂らしていると突如視界に映写機の様な演出が掛った。
しかも帰路の写本を使用した時と同じ様な浮遊感。
何処かへ飛ばされている?
じーってフィルムを回す様な音と共に54と謎のカウントダウンが開始される。
メニューを開いて装備を弄る余裕はある様だからいざって時に備えて変更した。
21。
バキン!
と波が発生する時と同じ様な音が響いてガラスの弾ける演出と共に視界が開ける。
ここは島の外れにある海岸沿いの丘か? 若干開けた場所だ。
紡と硝子が近くにいた俺に声を掛けてきた。
い、一体なんだ!?
これは一体?
驚きで狼狽するアルトと状況確認を取るロミナ。
わーお
驚いているのかボケっとしているのかよくわからないしぇりるが声を上げた。
船作り中だった様で木槌を持っている。
島内にいる全員が強制で転移させられたって事か?
いきなり何が起こったんだ?
装備品をチェックしつつ状況を確認する。
29:24
視界には謎の目減りする時間が映し出されている。
開始制限時間30分って事なんだろうけど、何が起こっているのか確認しなきゃ動きようがない。
とは言っても、どうせ何かしなきゃいけないだろうから辺りを再確認。
開けた場所のど真ん中で、ブレイブペックルが横になった体勢のまま浮かんでいる。
意識が無いって感じだろうか?
割とシュールな光景だ。
ラースペングー
俺がブレイブペックルを指差して硝子達に視線を向けると、硝子が紡の方を向いた。
紡の方はてへペロッて感じの表情をしてやがる。
妹よ、何をした?
ペエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ
ブレイブペックルが胸をかきむしり、呻くような声をあげたと共に黒いオーラを放ち、球体の影に隠れてしまう。
そして黒い球体が弾けたと思ったら其処からカルマーペングーのようないや、ドラゴンゾンビの様な羽を生やし、禍々しい盾を複数展開した黒い炎を纏うモンスターが出現する。
名前はラースペングー。
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
雄たけびと共にラースペングーがこっちに向かって突撃してくる。
敵意満載って感じだ。
アルトさんとロミナさんは下がって!
硝子が前に立ち、ラースペングーに向かって構える。
ラースペングーは盾を上に掲げた。
するとラースペングーの周りに一羽のなんだ?
カルマーペングーとも異なる真っ黒な鳥型のモンスターが出現したぞ!
こう古いゲームのデブな鳥みたいなモンスターだ。
ダークフィロリアル?
キュエエエエエエエエエエエエ!
ダークフィロリアルというモンスターが素早く硝子に向かって突撃。
一瞬、姿がぶれたかと思うと、硝子に複数の攻撃エフィクトが発生した。
うぐは、早い!
硝子がどうにか往なしていると、紡がダークフィロリアルに向かって鎌を振るう。
硝子さん!
そんな紡の攻撃を予見していたと言うかのようにラースペングーがダークフィロリアルを庇うように前に立って受け止める。
ガキンと金属音が響いた。
硬! 凄く硬くて刃が立たない!?
ハッと俺は我に返り、取り出した弓でダークフィロリアルと言うモンスターを狙う。
落ちついて陣形を取るんだ!
わ、わかってるけど!
僕は戦いは専門外なんだけどな
忙しいのでアルトは無視する。
そうして俺が矢を放った直後、ラースペングーを中心に黒い炎が立ち上り、辺りを焼き尽くす。
セルフカースバーニング』
視界にボスが放った技らしき演出名が出された。
範囲が広い!
至近距離にいた硝子と紡に命中し、黒い炎で焼き焦がされる。
きゃああああああ! 痛い。何コレ! 物凄く痛い!
痛いというのはダメージ的にだろう。
攻撃を受けると痛い様な感覚はあるが実際に痛い訳じゃないからな。