俺は迷わずケルベロススローターを持つとモンスターと対峙する。

ペックルはモンスターじゃないペン

しゃべった!?

今まで倒してきたモンスターは人語を解した事が無かった。

というかしゃべったら嫌だ。倒せないじゃないか。

ペ、ペックル?

ペンギンとコルポックルが力を合わせてーーペックルになったんだペン

聞いてもいないのにやや説明口調で語りを始めるペックル。

ペンギンとコルポックルでペックル?

微妙な造語だな。

容姿はペンギン八割、コルポックル二割といった所だ。

なんかリーダー格と思わしきサンタ帽子の近くに山から二匹のペックルがやってきた。

麦わら帽子とカウボーイハットを付けたペックルだ。

あれだ。個体によって付けている帽子に差があるのかもしれない。

ペックルはこの島を開拓するんだペン

そ、そうかがんばれよ

だからご主人には命令して欲しいんだペン

誰が主人だ

あなただペン。これをあげるペン

なんか肯定も否定もする前に変なアイテムを渡された。

一昔前のPDAみたいな情報端末でペックルカウンターという名称だ。

ペックルカウンターには三匹のペックルが描かれており待機』と表示されている。

待機のボタンを押すと従事させる仕事を選べるみたいだ。

そしてペックルには一匹一匹やる気』とやらがある。

サンタ帽子のペックルが100%で他二匹が70%だが、どういう意味だろうか。

あれか、空腹度とかそんな感じのゲージか。

まあペンギンだし魚でも食べれば回復するのだろう。

良く考えたら俺が押したボタンは魚だったな。

餌の事かよ

そうなると他のボタンを押したらどうなったんだ。

憶測だがそれに該当した生物が現れるに違いない。

そっちの二匹

麦わら帽子とカウボーイハットを呼び、アイテム欄に入っているイカを渡してみる。

イカを手に取った二匹のペックルはイカを食べた。

するとペックルカウンターのやる気ゲージが30%上昇した。

全個体が100%になった訳だがどうすれば良いんだ?

これはアレだよ。サポートキャラクターだよな。

条件はハーベンブルグ伯爵の屋敷に辿り着く、とかで以降開拓を手伝ってくれる。

まあシステム要素なら使わせてもらうが。

個体によって能力差あるよな。多分。

麦わらが畑仕事で、カウボーイが狩りだな。サンタ帽子何が得意なんだこいつ。

取り敢えず当てはまりそうな項目を探す。

農業、狩猟、畜産、漁業、伐採、建設、開拓、指揮の八項目だ。

指揮ってなんだ? リーダーっぽいし、これと相性が良いのかも。

でも既に俺が命令を出している様な気がするしな。ともかく、開拓という動作が何を意味しているのか確かめる為、サンタ帽子には開拓を命令させておこう。

仕事を始めるペン

そう言ってペックル達は走り去っていった。

きっと命令した仕事をやってくれるのだろう。

取り敢えず村に戻ろう。

村に戻ると俺は唖然とした。

サンタ帽子を付けたペックルが両手でハンマーを握って家屋を破壊していたからだ。

まだ始めたばかりなのか倒壊こそしていないが、今にも崩れそうだ。

なにやってんだよ!?

これはご主人。ペックルは開拓作業をしているんだペン

それは破壊って言うんだ! なんで家、壊しているんだ

新しい家を建てる為だペン

意味は理解できるがこの廃墟、壊されると俺の寝場所が無くなるんだが。

新しい家とか言っているし、後々建設とやらで家を作ってはくれると思う。

だがそれまでどうするべきか。

まあ小回りが利かないのがサポートキャラのお約束か。

わかった。お前は建設に回れ

わかったペン

そう言って帽子にハンマーを入れると今度はノコギリを取り出して立ち去っていった。

どんな構造なんだ? アイテム欄と同じ原理なのだろうか。

気になってノコギリを持ったサンタ帽子ペックルに付いていくとハーベンブルグ伯爵の屋敷跡地に着いた。

そして帽子から木材を取り出し、ノコギリを当て始める。

あの木材、どこから取り出したんだ?

嫌な予感がしてアイテム欄を眺めるとちゃっかり減っている。

あの帽子、俺のアイテム欄と繋がってないか?

いや、ノコギリなんて持ってなかったけどさ。

まあ良い。気にしたら負けだ。

他の奴は何やっているんだ?

ペックルカウンターを覗いて見る。

カルミラ島を簡易表現した地図が表示され、三匹のペックルがデフォルメされたマークで動いている。もはや別のゲームだな。

俺が耕した畑の辺りにいるペックルと森の中にいるペックル。

こっちは予想通りの行動だ。確かめる必要も無いだろう。

ともあれ便利なサポートキャラが現れ、作業は楽になった。

まあ開拓とやらをしておくか

その日は夕方まで今夜の寝所を残し、ハンマーで廃墟と化した村を破壊して回った。

家を破壊するのがちょっと気持ちよかった。

ペックルライフ

陽が落ちた。

夜目を取得すれば夜でも続けられるが精神的に疲れたので今日の作業を終了する。

そして取り出したるは開拓者の七つ道具を変化させた釣竿。

ペックルの餌というのもそうだが、釣りはゆっくりできるし、俺のソウルライフ。

俺は一週間の間硝子達を待ちつつ釣りをしていた岩礁へやってきた。

フィッシングマスタリーの影響で程々に釣れるが、まだ竿のレベルが低い。

まあ一週間続けて使っていたのでレベル3にはなったが。

釣れる魚はレベルが増える毎に増えている。

最初はニシンなどの安めの魚だった。

早く良い物を釣りたいが、この手のレベルアップ系装備は日々の鍛錬が物を言う。これからはどんなに忙しい日でも、一日一時間は釣りに割くとしよう。

お、早速引いている

個人的にはリールにもっと慣れたいが、七つ道具には付いていないのだからしょうがない。そんな風に考えながら、いつもの調子で竿を引いた。

なんかペックルが釣れた。

例え様もない怒りが込み上げて来て自然に言葉を紡ぐ。

サボるな! てお前、誰だ?

ペックルだペン

知っとるわ。

釣れたペックルは三匹のペックルと違いバンダナを頭に巻いている。無論、三匹が別の帽子を付けている可能性はあるが、個体表示だと考えると別のペックルだろう。

ペックルカウンターを見ると三匹は別々の場所で働いており、新しく四匹目の項目が追加されている。もちろん待機状態だ。

やる気は30%。

アイテム欄からイカを投げ渡すとパクッと二匹食べた。

家が早く完成してほしいので建設の手伝いをさせよう。

俺は新しく加わったバンダナのペックルをサンタ帽子と同じ建設と命令した。するとイカを食べていたペックルはバンダナからノコギリを取り出すとハーベンブルグ伯爵の屋敷跡地へと去っていった。

増えた?

あれか、ペックルは何か条件を満たすと増えるのか?

今回の場合、釣りで新しいペックルが加わった。

確かにデフォルメされているとはいえ、ペンギンだから海に居てもおかしくはない。

ま、まあ良い。

釣りは俺のソウルライフ。

これからはどんな事があっても一日一時間は続けるんだ。

そう自分を納得させながら釣りを続けた。

翌朝、東の空が薄っすらと明るくなってきた頃、俺はまだ釣りをしていた。

正直言えば眠いが、もちろん理由はある。

あれから定期的にペックルが釣れた。

今夜の収穫はバンダナペックルを含めて5匹だった。

つまり現在計8匹のペックルが俺の配下として働いている。

8匹の内6匹は建設に従事させている。寝る場所ができるのは良い事だからな。

重要なのはここ二日で稼いだ木材が心許ない。

ペックル収集はこの辺りでやめて一度寝よう。そして起きたらオノで木を伐採して材木を稼ぐ。そうすれば新しい家が完成する。いつまでも壊れた家屋で生活するのも嫌だし。

ともあれ俺は一度廃墟に戻ると床に就いた。

ご主人、起きるペン

どれ位眠っただろうか。

少なくとも身体がだるい所を見るに6時間は寝ていない。カーソルメニューの時計を確認すると08・26と表示されており、三時間程眠っていた計算だ。

えっとサンタ帽子か、なんだ?

ハーベンブルグ伯爵の置いていった箱から出てきたペックルだけあって、リーダーでもしているのだろう。サンタ帽子ペックルは困った表情で必要な物を催促してきた。

材木が足りないペン。このままでは作業が出来ないペン

だろうな

元々そんなに材木を持っていた訳でもないし、足りない物はしょうがない。俺は建設を一時停止させて6匹のペックルに伐採を指示し、寝直した。

それから四時間程眠った俺は太陽が丁度真上、お昼頃に起き出して朝食を作った。

今回の朝食はニシンとイカの丸焼き。

ニシンもイカも調理器具で鱗やら内臓やらを取り出し、焼いただけ。

素材の味が生きていますね。

料理スキルがまだそこまで高くないので普通だったけどな。

そうしてペックルに働かせておきながら呑気に起き出し、森で伐採作業をしているペックルの所へ向かう。

途中ペックルカウンターを確認するとそれぞれやる気が70%近くに低下している。

一日フル稼働で50%位か。

やがて森で伐採作業をしている6匹のペックルが見えてきた。

ペックルは巨木を切る用の大きなノコギリを左右2匹ずつで伐ろうとしている。

伐採量は思ったより早くないのか、6匹そろって俺の十分の一位。

う~ん、サポートキャラだとこんなもんか

俺の呟きにサンタ帽子が振り返って答えた。

ペックルはまだ熟練度が足りないんだペン

タイミングが良過ぎるだけに、不満に対する言い訳か何かだろうか。

そもそも熟練度なんかあるのか。というかこの調子だと畑の方もあんまり頼りにならないな。伐採は次に回すとして一度バケツに水を入れて畑へ向かう。

畑にて1匹で作業をしているペックルは伐採と比べても非常に遅い。

朝からやっていると安易に想像できる麦わらペックルはまだ水やりを終えていない様だ。

ともあれ、水をやり終えていない畑に水を撒く。

畑は植えてから二日が経っているので芽が太くなり始めていた。

現実と違って成長速度が速い。この調子なら明日には収穫だな。

そしてカウボーイハットのペックルがしっかり狩猟ができているのか確認する為、アイテム欄を調べると動物の肉』というアイテムが2つ増えていた。

何の肉かは知らないが一応狩猟はできているらしい。

昨日から続けてしているにしてはお世辞にも多いとは言えないが、熟練度が低いのだからしょうがない。

この二匹は後々もこの業務をさせるという事で固定させておこう。

毎日の業務を終えて森に戻ってきた。

ペックル達はまだ先程の木の伐採を続けている。

一応全ペックルにニシンを食べさせて、やる気を回復させはしたが速度は遅い。

あんまり期待し過ぎるのもアレなので自分で全てまかなうつもりで作業を続けた。

こんな生活が三日程続いてやっと屋敷跡地に家拠点という名の施設が完成した。

拠点は小さなログハウスで、ペックルカウンターと同じ効果のある道具が備え付けられている事以外普通の家だ。

拠点に付けられている島の地図を確認すると拠点レベル1と書かれている。

どうやら増設などもあるらしいが、今は寝る場所が出来ただけでも十分だ。

尚、この間夜釣りを毎日四時間繰り返しペックルの数が15匹になっていた。

もちろん俺と比べれば動きは遅いのだが、人数が増えたのと熟練度とやらが上がってきた影響か少しは役に立つ様になってきた。

一応個体によって得意分野があるらしく、熟練度の上昇に影響が出る。

大まかに帽子の外見で得意系統が予測できる、という所だ。他、偶に本人(?)が○○の仕事をしたいんだペン』とか言い出した場合、そっちを重点的にやらせている。

そしてサンタ帽子のペックルはやはりリーダーだった様でなんでも卒なくこなす。

現在熟練度の高さは全ペックル中一位だ。

きっと最終的な能力値はスペシャリストには敵わないのだろう、と予測している。

考えている傍からサンタ帽子のペックルが俺に用事があるらしく近付いて来た。

次は何の施設を建設するペン? 倉庫ペンね。わかったペン

いやなにも、言って

なんか自己完結したペックルがくるりとUターンして去って行った。

何がわかったペン』だ。最初から決まっているなら俺に一々聞きに来るな。

おそらくゲームシステム上作る施設が決まっているとか、そういう所だろう。

ともあれペックルは倉庫、牧場、水路と施設を増やしていった。

畑に割くペックルも5匹に増え、狩猟に出かけるペックルも5匹に増やし、牧場が完成後は狩猟で捕獲された生物が牧場に放たれ、畜産に5匹のペックルを使い、自分達の餌を得る為にペックル自身で漁業を営むに至った。

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