「このスキルを発動させるには攻撃してゲージ貯めないといけないから初手から使えないのが面倒な所だよねー」

自力でブーストするスキルだけど攻撃してゲージを貯めて発動か、面倒と見るか決め技と見るかは個人の自由か。

っと近づいてくる次元ノナーガに冷凍包丁で切っていたらオートスティールが作動してナーガの鱗をスティールしてしまった。

後でロミナに提出だな。

「でさ、このスキル……謎のチャージが可能なんだよね」

「連携スキルにもなるって所なんじゃないか? 組み合わせはわからないけど」

「かな? 闇ちゃん、後で検証しようよ。それとイベント中に使っている人いないか探さないとね」

こういった場は強い人や見慣れぬスキルを確認する場としては最適だ。

俺達は他のプレイヤーに興味を持たれて見られるように、俺たちも戦っているプレイヤーたちを観察できる。

我が道を行くけど、学べるところは多々存在するのだ。

姉さんが俺たちに色々と教えてくれたように。

『ネカマ姉さん。ゴチです!』

『耐えてくれてありしゃーす!』

『魔物の追加ありでーす!』

『お兄さん、これからファンになります!』

『アンタらいい加減にしなさいよー!』

……その姉さんは現在MPKの旅に出ているけど。

魔物の群れに向かって大技や魔法を放てる訳だから来るとわかっていたら腕に覚えがあったら美味しいカモだよな。

黙っていても沢山来るんだしさ。

姉さんがあの連中をMPK出来ることを祈ろう。

「そ、そこの島主パーティー! 助けてー!」

するとそこで助けを求める声が聞こえて来た。

姉さんのMPK被害者かと思ったけれど、どうやら違うようで無数の次元ノガルーダと次元ノジンに襲われて半壊してしまったパーティーがこっちに助けを求めている。

「OK、急いで助けに行こう!」

俺は急いで釣り竿に持ち替えてヘイト&ルアーでコツンコツンとルアーを飛ばしてターゲットをこっちに向けさせる。

「いくペン!」

「こいペーン!」

ここでペックルのクリスとブレイブペックルが上手い事動き出し、クリスは水を纏って突撃、ブレイブペックルはリザードマン召喚で俺がターゲットを奪った魔物に向かって攻撃して弱らせた。

「ここは私が……絆さんとクリス達がやってくれたのですから新技をやりますよ。見てくださいね!」

と、硝子がなんか負けじと俺と同じく釣竿を取り出した。

いや……硝子の場合、扇子でスキルを放った方が良いんじゃない? と思ったのだけど距離があったからこその攻撃だと判断して見守る。

ヘイト&ルアーを使うんだろう……そう俺は思っていた。

硝子のルアーは次元ノガルーダと次元ノジンをぐるぐると縛り上げるように近くを器用に飛び……首に巻き付いたかと思うと、硝子はキュっと釣竿を上げ、近くの岩場に糸をひっかけて釣り上げる。

「クリティカル・ワイヤー」

と、リールから伸びる糸をピン、っと弾くとバシュ! っと次元ノガルーダ達の首元にクリティカルエフェクトが発生して絶命した。

人型故に……こう、必殺! って感じでポロっと首が落ちて怖いぞ。

「おお! 硝子殿! 凄いでござる!」

「仕事人な感じだね! 私も首は狙って仕留めるけど、手際が良くて凄いね」

「どんどん行きます! はぁ! バインドロープ! からの乱舞一ノ型・連撃!」

硝子は助けを求めるパーティーの近くを飛ぶ魔物をルアーではなく糸で縛り上げてから近くに寄せて扇子で動けない相手に扇子で攻撃して仕留めた。

「絆さん程ではありませんが私だってこういった戦い方が出来ます!」

いやぁ……それって釣り竿の戦い方じゃないだろうと思うんだけどルアーで魔物の口に引っかけたりして無理やり一本釣りをする俺が言えるかと言うと怪しい。

防御低下デバフ

「えっと、ロープスキル?」

「そうなんですよね。釣り竿を使っているのにロープの条件が満たされて行くんですよ」

まあ……釣り糸を使って攻撃をしていたり抑え込んだりする訳だからロープ系の熟練度が含まれているのかもしれない。

釣り竿って複合武器なカテゴリーなんだろうか?

ルアーをぶつけるだけが釣り竿の使い方じゃないんだなぁ。

単純な火力は低いけどさ。

このパターンだと投擲系の熟練度も多少は上がっていたりするんだろうか。

「絆さんもやりませんか?」

「そ、そうだな」

首に釣り糸を巻き付けてからのポロリって俺に出来るだろうか?

普通に出来る自信がない。

と言うか硝子もいつの間にか成長しているんだな。

ちょっと前まで俺の真似をして釣り糸を垂らしていたのに。

「硝子」

「なんですか?」

「ルアーをぶつけたりひっかけて釣り上げるとかもやってみない?」

「絆さんは当たり前のようにやってますけど中々難しいですね」

いや、糸でぐるぐる巻きにする方が難しいと思うんだけど。

口に引っ掛ける方が簡単だと思う。

そう思って、俺は次元ノガルーダの口目掛けてルアーをひっかけて一本釣りで転ばせる。

「ドレインでござる!」

で、闇影が仕留めてくれたおかげで助けを求めて来たパーティーを襲う魔物を倒しきれた。

「ありがとう。助かった」

「どういたしまして。立て直しが出来たら頑張って」

「はい! みんな! 行けるか!」

「ああ! やろうぜ!」

「おー!」

と、助けたパーティーは手当てを終えて、走って行ってしまった。

持ちつ持たれつ、イベントをクリアしようと協力していかないとな。

しかし……硝子の釣り竿の使い方が俺とは色々と違って感心するなー。

そういえばカルミラ島で硝子はロープ技能を上げていたから、そこから別系統の釣り竿の使い方を習得してしまったんだろう。

複合条件スキルって事かな。

「よーし、塔に到着!」

なんて感じでやって行くと最寄りの黒い塔に到着した。

当然、他プレイヤーもバシバシと塔に向けて攻撃している。

「さっさとへし折ろう!」

「ええ!」

硝子の声と共にみんな頷いて塔に向かって攻撃を始める。

俺は言うまでもなく動かない敵なので白鯨の太刀<モビーディック>を取り出してブラッドフラワーのチャージを行う。

「イベントの塔はボスなのかはたまた別オブジェクトなのかはわからないけどこの武器で行くのが効率良いよな」

「そうですね。私たちも本気で行きますよ!」

「むしろ拙者たち、もっとばらけないといけないのではないでござるか?」

「まだ始まったばかりで手頃な塔にみんなで駆け寄っただけだろ。ここをぶっ壊したら他の塔も壊して行けばいい」

「そうそう、戦線はお姉ちゃんがひっかきまわしてくれてるから今のうちにササっとやらなきゃね」

って形で俺達も塔への攻撃をザクザクと行う。

すると塔の危機を察して魔物たちが群がってきた。

ブレイブペックルやクリス、ペックルたちを盾にしているし、各々攻撃を避けたり耐えたりしているけど無視するのが面倒になってきた。

「ちょっと数が増えて来たな」

「散らすためについでに範囲攻撃で散らすでござるよ」

「そうだな。闇影、あんまり乗り気じゃないだろうけど塔へのデバフも込めてやるぞ」

「こういう時は良いのでござるよ!」

と、闇影も何をするのかわかったのか魔法の詠唱を始める。

「硝子と紡」

「ええ、行きますよ! 絆さんたちが狙いやすいように」

硝子が釣り竿の糸で近くにいる次元ノジンを縛り上げて拘束し、一本釣りのようなモーションで上に跳ね上げて叩きつける。

「グギイイイ――!?」

おー……地味に良いダメージ入ってるんじゃないか?

しかも拘束を振りほどけない強度まで完備。

糸の性能が高いからこその荒業か。

「私も出来る限り弱らせるよー! はあ!」

ブン! っと強化状態の紡が鎌を大きく振って周囲に群がる魔物たちにダメージを負わせて弱らせる。

俺は俺で……ブラッドフラワーのチャージをそこそこし終える。

「闇影、また行くぞ!」

「わかってるでござる!」

俺は硝子が抑え込んでいる次元ノジン目掛けてブラッドフラワーを解き放ち、闇影との連携スキルを発動させる。

「「ブラッディボムスプラッシュ!」」

本日二度目の闇影との連携スキル、血の花を咲かせて破裂させ、周囲に大量の防御低下のデバフを施すスキルを放った。

「おー! 島主パーティーが連携技で援護してくれてるぞ!」

「助かる! これで塔にもデバフが掛かるだろ」

「さすがー! 親ブレイブペックルも戦場をかき乱して狙いやすくしてくれてるし、島主パーティー様様だぜ!」

周囲のプレイヤーたちの感謝の言葉をしり目に、俺と闇影の放ったブラッディボムスプラッシュの爆発を受けて紡が弱らせた次元ノ魔物たちも絶命する。

すると連鎖するように魔物たちが血の花を咲かせて爆裂した。

連鎖爆裂効果もあるんだよな。

上手い事仕留めないと爆裂はそこまで続かないけどさ。

バシュバシュン! っと音を立てて塔周辺の魔物たちが大幅に減り、塔に血が降りかかって煙が立ち込める。

「一気に削りきるぞ!」

「ええ、やりましょう!」

「もちろん、余力は十分だよ」

さーてここで恒例のエネルギーブレイドを取り出しましてっと。

試作型可変機能付きエネルギーブレイドⅣっとね。

「あ、久しぶりに見ますね。絆さん」

「波の報酬で徐々に強化されてきてるからな」

周囲を見ると……あ、知らない人だけどスピリットに同様の武器持ちが居て使っている。

やっぱここぞという時に使う武器だよな。

同様にエネルギーブレイドを使っているプレイヤーは剣形態で振り回しているようだ。

波の報酬での運が絡んでいるし選んだ武器の種類でも色々とあるよな。

割と強化されてる扱いのエネルギーブレイドなんじゃないかとは思う。

ほかにスピリット同士で強化パーツの共有とかして一か所に集めたら強化具合で負けそうだけどな。

ちょっと気になったので聞いてみるか。

「硝子、闇影。エネルギーブレイドってスピリットだとそこそこ出やすいんだよな?」

「そうらしいでござるな。拙者は運悪く出ないでござるが」

「私もですね」

本当に出やすいのか怪しくなってきたぞ。

「これって強化パーツを持ち寄って凄いの作ってる奴いそうだよな」

「確かにそうですね。私も出たら絆さんに渡しましょう」

「拙者もでござる」

いや、助かるけどさ。

「ですが、前にアルトさんやロミナさんに聞いた話ですと現在の上限はⅣだそうですよ」

「となると俺が持ってる段階が最大って事になるのか」

「元々燃費が悪くて使いづらいでござるよ」

「ⅢとⅣも単純な武器攻撃力は同じだそうですね」

となると可変機能がメインで武器のマスタリーが重視される事になるか。

不幸な事に俺がメインにしている解体武器と釣り竿には変化させる機能は無い。

剣辺りが解体武器とシナジーがあるような気がするけど効果は低めだろうなーそれなら援護射撃の手伝いで習得した弓のマスタリーの方が効果がありそう。

よし……倍率はわからないけど一気に削るならこれが良いよな。

俺はエネルギーブレイドの武器操作アイコンで弓を選択する。

するとブウン! っと良い効果音と共にエネルギーブレイドの形状が変わって弓の形に変わる。

引き絞る際に振り込むエネルギーを割り振るようだ。

スキルも一緒に放てるようだな。

えっと……弓は釣り竿以外のサブウェポンとしてそこそこ使っていたので攻撃スキルも使えるな。

再取得してっと。

キリキリ……っとエネルギーを振り込むと、エネルギーが光の弦と矢となって生成される。

「よーし……喰らえ! アクセル・アロー!」

ゲスい提案

パッと手を離すとドウ! っと音を立てて弓となったエネルギーブレイドから光の弾が放たれて塔に命中、轟音を立てて大きなダメージエフェクトが入った。

「よし命中!」

防御低下のデバフとエネルギーブレイドの一撃を受けて大ダメージだ!

っと思ったけれど塔はまだ健在だ。

前回、塔を壊した時よりも倍のエネルギーを振り込んだけど倒壊できなかったか。

「弓になるのでござるな」

「試作可変機能を持ってるんでな。スピリット同士だしみんなで持ち替えて各々エネルギーを振り込んで攻撃すればいいだろ。次は硝子な。扇子にも出来るみたいだから使ってみてくれ」

俺は硝子にエネルギーブレイドを手渡す。

「確かにありますね。ちょっと変えてみます」

硝子にエネルギーブレイドを手渡すと、さっそく硝子は扇子へと形状を変える。

「えっと……たぶん、振るとエネルギー刃が飛んでいくタイプの扇子みたいです」

「へー」

なんかどこかで見たような武器になるのね。

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