開拓の七つ道具のクワでも出来なくは無いけど鋤というクワより前に存在する農具でこれを馬や牛に引かせて畑を耕す農法が存在する。

トラクターが無いなら騎乗ペット辺りかそれこそ顔文字さんが持って居るだろうと思えるウサウニーの笛で大きなウサウニーを出して動かして畑を耕すのが良いだろう。

「ともかく、効率的に畑を適切な環境に持って行くとしてー……その間に何をするのが良いか。農業だけじゃ開拓は進まないし……こう、何か良さそうな事をしていかないと」

みんな一丸になって畑の世話ってのも間違いは無いけどウサウニー達の食料調達だけが全てでは無い。

カルミラ島では魚の調達は俺が担当しつつ、漁とか船でやるようになって食糧事情が安定してから一気に開拓を進めていった。

「最終的に城の建設が目的となるけど顔文字さん。サンタ帽子ウサウニーはそう言った話は?」

「してないのじゃ!」

……城の建築を提案するほどの発展をしていないって事だろう。

ウサウニーカウンターを口頭で聞いた感じだとウサウニーも食料が足りないのは元より数が少ない。

人の入れるダンジョンの入り口が見つかり、速効でクリアしてブレイブウサウニーをゲットした所で足踏みとなっている段階なんだろう。

俺の場合……三人目に呼んだ人物がロミナだったのは正解だったんだろうなぁ。

「今はとにかくウサウニーの確保と活動させるための農業改革が必要だな」

かといって……劇的な方法がまだ出てこない。

この開拓地にある物資は自称前線組が不要と捨てていった品々が多少倉庫にあるだけだもんな……。

ドロップ品とか色々と物資を倉庫に入れておけよ……。

硝子や紡だって手に入れた品々を倉庫に入れていたのにな。

人的要因で単純に難易度が高いなぁ。

「ウサウニーってやっぱり畑を耕したりすると増える感じ?」

「それもあるが最近は出てこないのじゃ。収穫をしているとその雰囲気に釣られて姿を現すのが多いのう」

ある程度釣りだけでペックルが釣れた時期はあったけど、ある時全然出てこなくなった事があったっけ。

色々と挑戦する事で数が増えるから挑戦して行くのが大事か。

「結局は農業で作物が収穫出来なきゃ話にならないか……」

「後はそうじゃのう。すぐに使えそうな畑というとダンジョン内にある畑じゃのう」

ブートキャンプ

「ダンジョン内に畑か……」

カルミラ島のダンジョンにも釣り場があったのを思い出すな。

「ダンジョンってそのまま耕せる感じなの?」

よくよく考えるとカルミラ島のダンジョンの床を掘るって事はしてなかった。

顔文字さんはどうもブレイブウサウニーを手に入れる段階でやっていたっぽい。

「普通のダンジョンでは地面は掘ってもすぐに戻ってしまうがのう。特定の階層では畑に出来る様なのじゃ」

「ダンジョン内は時間の流れが違う感じ?」

「もちろんじゃな。あ、エレベーターの修理はどうにか出来たのじゃぞ。じゃなきゃヤツ等がうるさかったからのう」

顔文字さんはマシンナリーも少しは習得してるのか。

ふむ……どうやら俺が前に地底湖に潜って大量に魚を確保したのと同じ感じで特定の階層が畑として使用可能か。

「どうやら階層ごとに四季があるようで、絆が釣りをするのが好きなようじゃし水晶湖のある地下50階がおすすめかのう。水晶が時間で光を放って照射量が変わって時間の流れをわかりやすくしておって綺麗な場所なのじゃ。ただ、迷宮から出て戻ってくると作物の世話が出来ず枯れてしまったり収穫時期を逃してしまう事が多くてのう……」

「時間経過が別なのか」

カルミラ島のダンジョンではダンジョン内部の五日が外での一日経過という時間が流れていた。

「へー……じゃあ、あんまり本意じゃないけどダンジョン内の畑で徹底的に作物を短期間で作ってウサウニーを動かせるだけの量を確保してくれば良いか」

釣りも合間に出来るみたいだし、現在逼迫している地上での畑の浄化作業の合間にするには良さそう。

「畑の部分はそこまで多くはないのじゃぞ?」

ゲーム的な表現だと温室みたいな所だと思えば良いだろうか。

牧場系のゲームで温室というと季節を気にせず作物を植えられる便利な施設だ。

「無いよりマシって奴だな」

現在の状況に適した場所を見つけたって感じだ。

何より水晶湖って所に居るヌシがどんなヌシなのかも非常に気になる。

「そんな訳でダンジョン内で物資調達の為のブートキャンプを行う!」

全員が一旦集まった所で俺は堂々と宣言した。

「ほう」

「のじゃー」

「……」

反応はマチマチだ。

ちなみに一番反応が悪いのは姉さんだ。

「誰か俺に付いてくる人いるー? 15日くらい潜って畑の管理と俺の釣りの付き合いになる。超楽しいよー」

「……」

サッと奏姉さんは顔を逸らして黙り込む。

嵐が過ぎ去るのを待つかの様な態度だ。

最近はピーピーと口やかましく騒いでツッコミを入れていたけど、さすがにこの状況ではツッコミを入れる気も起きないらしい。

「私はアンタに頼まれた畑の浄化作業があるし! ダンジョンは戦闘で別の物資調達をするから降りるわ」

「あ、奏の嬢ちゃんずっりー! 俺もだぞ!」

姉さんとらるくは来ないか。

まあ、最初から期待してなかったし、俺が一人で色々とやってくるのが無難か。

「はいはーい! わらわは一緒に行くのじゃー!」

ここで顔文字さんが元気よく挙手している。

おお……ダンジョン生活を顔文字さんは付き合ってくれるのか。

なら徹底的に顔文字さんに農業を教えられるな。

本当にやる気があるって感じだ。

「私はちょっと遠慮させて貰うかな。薬の調合やウサウニーとペックル達の指示をするから」

「ええ……開拓地の発展を優先したいわ。色々と建てて行きたい所ね」

クレイさんとミリーさんは開拓地の整備と建造を優先したい様だ。

感覚的にはアルトに任せていた事をやってくれている。

「てりすは途中までだけどダンジョンで採掘したいから一緒に行こうかしら。水晶湖、てりすも見てみたーい!」

お? 三人目も登場か……ちょっとてりすのミーハーな所が、陽の気配を感じて苦手だけど目的がわかりやすいから良いとしよう。

「了解。という訳で俺と顔文字さん、てりすの三人でダンジョンの水晶湖にブートキャンプに行こうか」

「頑張るのじゃ!」

「やってくわよー!」

ちょっと不安の残る二人だけど、まあ音を上げるまでは付き合うとしよう。

「ちなみに水晶湖の季節は春じゃな」

「じゃあ春に植えられる種とかを持って行くのが良いけど……そんな種類ある?」

「そうじゃな……イチゴとじゃがいもとにんじんのタネを確保しておるぞ。他にクワに初期のタネとしてカブがあるのう」

「確保って……どこから?」

「ウサウニーを探検に行かせたりすると持って帰って来るのじゃ。他にダンジョンで魔物がドロップしたりするのう。ダンジョン内で生えていたりもするのじゃ」

へー……そんな代物もドロップする様に設定されるのね。

「工房内に最初からシードメーカーが設置されていたね。出来上がった作物を入れると作物の種を生成する道具のようだよ」

出来上がった作物の使い道がまだまだあるって所か……。

普通に面白そうだよな。

ここまで農業で色々あるなら仲間と連携が取れていたら結構凄い事出来ると思うんだけどなぁ。

「ここで習得出来るマシンナリーのレシピもあるようだし、使えそうな物資で技能強化はしておくよ」

クレイさん達にはその辺りの技能強化をしておいて貰うのが良いか。

しぇりるが居たら技能的に助かる状況だが……いないのだからしょうがない。

「とりあえず植えられそうな種を持って出発ー!」

「なのじゃー!」

「いえーい! らるくー! お土産沢山持ってくるから後で細工をしてくわよー!」

と俺は愉快な二人を連れてダンジョンの水晶湖って所へと向かったのだった。

「おー」

砂漠のオアシスにあるダンジョン内のエレベーターに乗り、出た場所には……カルミラ島の地底湖に似た感じの地底湖に無数の水晶が生えた幻想的な階層に出た。

水晶が光っていてダンジョン内でもそこそこ明るい。

如何にもファンタジー感あって中々良い場所だなぁ。

で、水晶湖の地面がある所の一部が柔らかい土があり、どうやら耕す事が出来るようだ。

「わー綺麗ね。この水晶、採掘で持ち帰れるのかしら?」

てりすは水晶に目を輝かせつつ笑顔で顔文字さんに聞いている。

「破壊不可な所が多いが一部は掘れるようじゃぞ」

「なるなるーノジャちゃんありがとー!」

「さて……さしあたって、ここで泊まる訳だけど……」

「テントじゃな! やや奮発して持ってきた木材でコテージ作成でもしてみるかの?」

想像以上に顔文字さんがアグレッシブな提案をしてくるな。

木材をそんなに持ってるのか? この砂漠で木材は割と希少だろう。

まあ……オアシスにある謎の林で定期的に生えてきて伐採出来るみたいだが。

木工も多少覚えているらしいからな……この人、戦闘組って割にはサブで色々と持ってるな。

「そんな心配は無用だ。俺達にはコレがある」

チャチャチャーン! と、ここで俺が取り出したのは前回のディメンションウェーブイベントでの報酬で出たペックルハウスだ。

前にも試した一見するとドールハウスの様な代物。

それをイベントリから出して顔文字さん達に見せる。

「なんじゃこれは?」

「わー懐かしい感じの玩具ね。てりすも子供の頃に持ってたわー」

うーん……やっぱり女の子の玩具って感じにしか見えないよな。

「これをこうしてこうやって」

ペックルハウスを拠点として使うのに良さそうな場所に設置するとムクムクっとペックルハウスは大きくなる。

後は鍵とばかりにペックルの笛を入り口に差し込んで完成っと。

パーティーメンバーは入って使用する事が出来る。

このペックルハウスは携帯シェルターなので使わせてもらおう。

水晶湖

「おー……これは凄いのじゃ。下手な地上の住居より快適に過ごせそうじゃな」

「やーん。絆ちゃん凄いの持ってるわー。これも島主の特典?」

「特典なのかなー……この前のディメンションウェーブイベントの報酬で出たんだけど」

「なるほどなのじゃ。つまりわらわもいずれコレに匹敵するアイテムを入手するかもしれんって事じゃな」

確かに、条件的に顔文字さんは手に入れる可能性がある。

「まあウサウニーカウンターみたいに反発する可能性があるから顔文字さんがこのペックルハウスに入れるか試しておいて」

「了解なのじゃ!」

顔文字さんがペックルハウスに入って色々と確認を取る。

どうやら反発は起こらない。

「これは……中はペックルグッズが大量じゃな!」

家具の一つ一つがペックルをコンセプトに設置されてるからファンシーであるのは間違い無い。

何人かで生活出来る程には設備が揃っている。ベッドもあるしキッチンも完備だ。

「水まで通ってるのね! 下手をしたら地上の住居より豪華なんじゃないかしら?」

「狭いけど浴室もあるからシャワーや風呂も入れるみたいだぞ」

「うむ。ここまで設備が揃っておるなら否定出来んぞ」

「凄いわね! 想像より豪華な生活が出来そうでてりす、期待に胸が膨らんじゃうわー!」

燃料は……ハウスの一部に魚をエネルギーに変換する装置が置かれていて魚を一定数入れると補充される。

実に俺向きのアイテムであるのは否定しない。

本来は安全そうなフィールドの釣り場とかで設置してキャンプするための代物であるが、ダンジョンの水晶洞にも使えるというのはありがたい。

ここで俺達は……まあ、15日くらい気楽に農業と釣り生活に入ることになる。

「みんな気に入った部屋を使って貰う事にして、ここを拠点に作業をするぞー」

「おー! なのじゃー!」

「おー!」

顔文字さんとてりすのテンションが高いようで何よりだ。

「あ、本棚に日記があるわね。システムのメモとは別に使えるみたいよ」

「では今回の合宿でみんなで交換日記をするのはどうじゃ? 色々と友好を育めると思うのじゃが」

おお、交換日記……漫画やアニメとかだとあるけど実際にするなんて無いぞ。

いや、小学校の時に少しやったような気がするけど先生との日誌みたいなものだった気がする。

「なんか楽しそうー絆ちゃんはどう?」

「良いんじゃ無いかな? とは言っても少し恥ずかしい気もするけど」

「えー問題無いわよ。ネットで呟くのと似た感じでやってけば良いのよ」

「そうじゃな。ついでに気になった所などを書いておいてくれると助かるのじゃ」

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