「これはベニズワイガニでござるな! ズワイガニには劣るでござるが美味しいでござる!」

「そうなの?」

「そうでござるよ。カニバイキングなんかで使われるのはこのベニズワイガニなのでござる。代替品でござる」

闇影、よくわかったな。ゆでカニにしたらアイテム名が変わるのでわからないかと思ったが味だけで判断しやがった。

夢中でカニに群がる紡と闇影としぇりるを余所に俺達はそのまま朝食を終えた。

「お兄ちゃん! カニまだ無いのー? もっと食べたい」

「紡殿、わがままを言ってはダメでござるよー」

「あるぞー」

ポンとカニを追加する。

すると闇影も目を丸くして追加分を食べ始める。

「まさにバイキングでござる!」

しぇりるはキリの良い所でやめた様で口元を拭いている。

それから紡は出した分だけカニを食べ続けた。

「紡殿はいつまで食べているでござる」

「だってー」

「幾らでも入る」

ここでしぇりるが呟く。

ああ……ディメンションウェーブと言うゲームのシステム的な事なのだろうが、食事に関して満腹感はあるのだけど食べようと思えば幾らでも食べれる様なのだ。

紡は満腹感はあるのに詰め込みまくっている。

「このまま食べていたら胃拡張とかの熟練度があがりそう」

……ありそうだな。大食い用の技能とか。

魔物とかもそのまま食べるとかシステムであったら怖いぞ。

「ま、飯はこれくらいにして、昨日主を釣ったぞー」

「おめでとー!」

「おめでとうでござる」

「おめでとう」

さてと……と言う訳でヌシウナギをボンと出す。

「わー……でっか! ウナギデッカ!」

「大きいでござるな。オオウナギとも異なる大きなウナギでござる」

「そう」

っとまあ皆の反応を確認してから日の光を確認してウナギの解体に入った。

得物が良くなったお陰で解体はどうにか完了した。

途中で失敗するかヒヤッとしたけどな。

中級王者の皮、中級王者の鰭、中級王者の軟骨、中級王者の粘液、鰻の大皮、鰻の大軟骨、最高級鰻の肉になった。

「中級王者……ヌシのニシンが低級王者だったから汎用的な素材だな」

主の一部はこう言った同一規格の素材が入手出来るんだろう。

今まで変わった素材だったのは運が良かったのかはたまた……。

「お兄ちゃん、このウナギでうな重は?」

「アレだけ食ったのにまだ食うのか、お前は」

「だってー」

「それはこの素材が武具に使えるか否かを確認してからでも遅くない」

「ぶー」

本当、底なしの食いしん坊が!

「良い食後のパフォーマンスだったでござるよ」

闇影の謎の感想、別に見世物にしていた訳じゃないぞ!

「それじゃあ早速悪行河童のボスを倒しに行くのでござるな!」

「ああ、闇影、尻子玉を抜かれない様にな」

「だから拙者にだけなんで言うでござるか!」

だってな? 闇影がそのポジションだし。

なんて雑談しながら俺達は悪行河童のボスを倒しに行ったのだった。

結果だけで言うと悪行河童のボスは洞窟内の奥にあるオブジェクトを調べることで出現し、戦闘となった。

普通の悪行河童の三倍くらい大きい河童で、攻撃も苛烈だった。

ブレイブペックルを召喚して守りに専念させたので損害は軽微だった。

結構ブレイブペックルは耐久が高いので助かる。

俺は近づかずに釣竿のスキルであるルアーダブルニードルで援護をし、硝子や紡、しぇりるの猛攻と、闇影の強力な魔法でボスは倒す事が出来た。

尚、闇影が尻子玉を2回ほど取られた事はここに記述しておく。

魔法反応の魔物だからだろうって事だったが、闇影の被弾率をどうにかした方が良いかと思うな。

「大きな河童だったでござるなー」

「そうだな」

尚、解体した際の素材は大河童と付いた河童素材であるだけで普通の悪行河童と素材に関してそこまで差は無かった。

「歯ごたえは十分ありましたね。次の関所を抜けた先が楽しみです」

「そうだね! 次はどんな魔物と戦えるかなー」

かなり順調な行程を踏んでいるな。

なんて思いながら次の関所を越える事になった。

手形を見せるとNPCが門を開いてくれて進む事が出来た。

道なりに進んで行く。

まずは泊まれる所を確保するのが大事だよな。

なんて感じで半日程道なりに皆で雑談しながら歩いて行くと新たな街と言うか前回と同じく、宿と一部の設備がある中継地点に到着した。

今回は……お祭り会場みたいに出店が並んでいる中継地みたいだ。

「わーなんかお祭り会場みたいだね」

「まんまそれみたいだぞ?」

祭囃子が聞こえてくる。

入口に居るNPCがお祭り町みたいな説明をしていた。

「かき氷とか売ってるな」

「りんご飴もあるでござるよ。提灯がぶら下がっていて楽しそうでござるな!」

「問題は俺達しかプレイヤーがいない所為かNPCを入れてもやや簡素な感じな点か」

賑やかな雰囲気ではあるのだけどお祭り独特の人が多過ぎるって雰囲気ではない。

どっちかと言うと寂れたお祭り会場って雰囲気が悲しいな。

祭の賑やかさって子供や人の賑やかさだって聞いた事があるけれど、本当かもしれないな。

まあ、ここもいずれは人が沢山来る事になるだろうけどさ。

金魚

「楽しそうじゃないですか。雰囲気を楽しみましょうよ」

「まあなぁ」

で、出店以外の木造っぽい建物を確認。宿屋に居酒屋? 遊楽っぽい建物と……NPCが無数に集まっていて進めない店がある。

「アレはなんでござるか?」

「えっと……」

「フリークショー」

しぇりるが少し離れた所にある梯子に足を引っ掛けて進めない店を見て言った。

フリークショー? なんだそれ?

「フリーク?」

「見世物小屋でござる?」

「……そう」

「見世物小屋ね……何を見世物にしているのか分からないけれどNPCが多くて中に入れないな」

「夜になるとNPCがいなくなるとかのイベントかな?」

お約束だけどそれって何を見世物にしているのかを確認してからじゃないか?

ちなみに看板には……なんか羽衣を着けた女性が描かれている。

天女って感じ?

どう考えても何かクエストのフラグだろう。

「どうでしょうか……どちらにしてもこの中継地点をしばらく拠点にして依頼を達成して行く形ですね」

そうなるな。

「周囲で情報収集するのと、クエストカウンターを確認してくるねー」

「ああ。で……俺は……」

「このお祭り会場には川や井戸は無かったでござるよ。絆殿」

「馬車で前の中継地点に移動しますか?」

闇影が注意し、硝子が気を効かせてくれる。

「甘いぞ闇影、俺には釣りが出来る所があるのをわかっているぞ」

「この中継街にありました?」

フフフ……と、俺はみんなを連れて最寄りの……金魚すくいの出店の前に行く。

「そこは釣り場じゃないでござるよ!」

知らないなぁ?

「いらっしゃい! 金魚すくいは一回10セリンだよ」

NPCを無視して釣竿を垂らす。

釣り場判定があるかの確認だ!

うん……釣り場判定ではあるみたいだな。

……何も掛らないけどさ。

「ほい」

NPCに10セリンを渡す。

「まいど! 時間はポイが無くなるか5分だよ」

すると金魚すくいのポイを三個渡された。

ポイを使わずに釣り糸を垂らしていると……。

「絆さん……」

「幾らなんでも病的過ぎるでござる」

「そう」

なんか硝子達がドン引きしている。

ここに水場があるんだぞ!

「絆さん、普通に遊びましょうよ。さすがにそこに主は居ないと思います」

「そうか?」

「お客さん、さすがにそれはやめてくれよーこっちのでやってくれよな? 一回30セリンだぜ」

っておもちゃの釣竿が追加された。

こんな所にフラグだと?

なんて見つけづらいイベントなんだ。

さすがにネタでやっていたんだけど……。

「ここでも隠し要素が顔を出しているでござる」

「出店の水槽に釣竿を垂らすなんて方を想定しているのが凄いです」

「……」

コクリとしぇりるが頷く。

「ホイ」

っとおもちゃの釣竿を借りて水槽に垂らす。

チョコチョコと何かが食いつく感覚!

「フィッシュ!」

ピョンと金魚を釣りあげる事に成功!

「みんな! 金魚が釣れたぞ!」

「そうでしょうね……」

「もうツッコミを入れるのも疲れたでござる」

「そう」

もはや釣り堀みたいなもんだよな。

金魚……精々出目金とかが釣れるとかだろう。

「では絆さんはここで釣りをしていてください。私達がお願いを探してきますから」

「了解」

って事で解散となり、俺は金魚すくい店で釣り糸を垂らし続けたのだった。

釣果で言うと金魚に出目金、錦色の金魚など、思ったよりもバリエーションのある金魚が釣れた。

ドジョウとミドリガメも釣れた。

ミドリガメは現実だともう禁止されているはずだが、ここは昔の再現って事で良いのかな?

あ、何故かカエルも釣れたぞ。

そうこうしている内に硝子達が新たなクエストを見つけてきた様だ。

納品クエストに始まり、魔物の討伐クエスト等が無数に発見出来たっぽい。

「悪行河童のボスを倒した事で更なるクエストがあったみたいです。ただ、今回は納品クエストでしたね」

「うん。河童のドロップ品を渡せば良いだけだったから尻子玉を規定数渡したらすぐにクリアだったよ」

「エンチャントのヒント」

「そうそう、アルトさん達に尻子玉を持っていけばいいと思うよ。新しい付与が出来るみたい」

ああ、そう言ったヒントなんかも教えてくれるのか。

「ロミナさんをこのクエストを一緒に達成させたら鍛冶のレシピが増えそうな感じだったよね。職人っぽい人に品定めされたし」

「そうですね。鍛冶技能持ちが必要な感じの話をしていました」

「ま、しばらくここでクエストをしてからでも良いんじゃないか? 後でロミナをついでに呼んだりさ」

「そうだね!」

って感じでそれから数日ほどはこの中継街近隣で魔物を倒したりアイテムの調達等をしてクエストを達成して行った。

俺は金魚すくいの出店で金魚の主が釣れないかと張り付きを行ったぞ。

釣る事は出来た。錦柄の大きな金魚が水槽から釣れて硝子達が呆れかえっていたのが印象的だった。

解体したら低級王者の鱗ととかが取れたな。ニシンと同じ階級の主だったっぽい。

ただ……祭のコインって言うアイテムも入手する事が出来た。

これは何なんだろう?

今の所、使う場所は無い。

交換でもしてくれるNPCがいるのかもしれない。

別の中継街に移動するのが面倒だったので更に金魚すくい屋で釣っていたら今度はヌシドジョウも釣れたぞ。

やはり低級王者の~シリーズだったけどさ。

この素材でまた何か作るのも悪くないな。

それと採掘場に行った。

採掘ポイントにドリルを当てる作業をして鉱石を稼いだ。

しぇりるからドリルを貰って削岩したぞ。新鉱石は魔法鉄って奴だった。それと鍾乳石とルビーとか宝石類。

「大分物資も溜まって来たね」

「そうでござるな」

色々と新たな中継地点の物資が集まって行っているのは事実だな。

島主特権で店の物を購入できる俺達がラインナップを確認すると、この街の装備はお祭りシリーズの様だった。

効果としては外見だけのネタ装備だったな。

街に居る時限定で俺も法被とか着たぞ。

お祭り気分でヒャッハーだな。

お面とか頭に着けたりして、ずっとお祭り会場って感じの雰囲気が良い中継街だ。

「ここの見世物小屋に入るクエストが分からないなぁ」

相変わらず昼も夜も人が群がっていて入れない見世物小屋をみんなで見ながら雑談を行う。

「どこかから連なるクエストとかなんじゃないか?」

「たぶんね。もしくはアップデート後に来るとなんかある感じだと思うよ」

「それで……ちょっと俺は雑務でカルミラ島へ戻りたいんだが、皆はどうする?」

硝子達とは大分狩りが出来たと思う。

なので一度様子を見に行ったら良いかと思い始めている。

「お兄ちゃんがカルミラ島の方のクエストをする事でも次の関所を越える信用を稼げるしなー」

「少しマンネリですし、またここに来るまで絆さんの手伝いをするのも良さそうですよね。確か魚竜って魔物が出ていて私達がいないと勝てなさそうなんですよね?」

「そっちも様子見に行くのは良さそうでござるな!」

「お兄ちゃんのお陰で食事も豪華だしね」

ウナギに始まりカニなど、最近はよく出しているからなぁ。

紡の食いしん坊のハードルが上がっている。

他にも手に入る高級食材はあるにはあるが……。

「じゃあみんな手伝ってくれよ」

この時、みんなは俺を疑う事は無かった。

いや、正確には俺もよくわかっていなかった。

全ての元凶が死の商人であった事を先に明記しておこう。

「ええ」

「カニ装備も欲しいし丁度良いね。いこー!」

「船が懐かしいでござるなー!」

と各々が参加を表明した

「……」

「どうした?」

「別に……」

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