「問題は技能が高くないとその場所が分からないようです」

「あてずっぽうだと化石が破損するって所か」

「そうなります」

「ピョン!」

「ピョン!」

ウサウニーたちが各々手にピッケルやドリルを持って化石をクリーニングしている中で叩くべき場所を見つめる。

……うん。解体技能が若干反応しているけれど、倍率は低い。

難易度は高めであるから焼け石に水に近いな。

持ち込んだ道具と化石のクリーニング経験を元に削っていく。

カンカンカンと……釣りとは別の楽しい作業だな。

何処か、まずは大きく削れる箇所を叩いて探そう。

すると……コン、と一か所大きく音が異なる箇所を見つける。

「一か所発見!」

ガツッと強めにクリーニング道具のハンマーを突き立てるとビシビシっと大きく割れ目が伸びた。

「あ! 絆ちゃんナーイス! そこまで行けばてりすがやれるわ!」

と、割れ目に続く弱点部分をてりすは見極めてたたきつけると割れ目がどんどん伸びていく。

「まだまだ行くわよー!」

「こちらも負けていられませんね」

と、特化をしているてりすとミリーさんが各々弱点となる部分を叩くとビシビシビシ……っと、大きな化石の塊がごろっと地滑りを起こして化石が大きく露出した。

地滑りをしたみたいに現れたぞ。

で、削り落ちた土は霧散して消える。

この辺りはゲームっぽい。

「ピョンピョン!」

あ、隣に土山になってウサウニーたちが掃除をしている。

こっちもミニゲーム的な仕組みに組み込まれていてプレイヤーがやると評価点が上がりそうなゲージが見える。

「土山の除去も評価に入るみたいだけどどうする? 俺がやっとこうか?」

「わかったわ。絆ちゃんお願いーてりす、ゴリゴリと削っちゃうわよー!」

「お願いします。その間にやりましょう」

「終わったら俺も手伝うから!」

って事で台車に土を運び込んでガラガラと指定の場所に土を捨てるミニゲームを行っていく。

ザクザクスコップでエンヤコラ! ってね。

台車に載せてどこどこ運んで……これが連携スキルか。

ウサウニーたちも迅速に土を運んで捨てていく。

どうやら土いじりが得意なウサウニーはこっちの作業の方が早いらしくウサウニーたちと協力してたら土山がどんどん減って行って目処が立った。

なので俺も残りのクリーニング作業に加わる。

見た所……普通に恐竜の化石っぽい。

平べったい口というか……噛み切る牙じゃなくすり潰す系の歯が並んだ感じ。

「恐竜みたいだけど何の化石だろ?」

「肉食じゃなく草食っぽーい。しかも戦闘力低そう」

てりすの言う通り、なんか頭のパーツ的に牙とか無くて草食っぽい。

だけど角とかも無いのでトリケラトプスとも違う。

なんだろ?

「おそらくマイアサウラでしょうね。忠実な化石であるのならばですが」

「そんな恐竜がいるんだ?」

こう、博物館とかでサッと見たら記憶には入るけどパッと名前は出てこないマイナーな感じの印象だ。

「ええ。ですが……皆さんと一緒に大発掘調査をして最初に発掘するのがマイアサウラとは私には皮肉もいい所ですね……」

と、何やらミリーさんが苦笑というか卑下が混じった発音で述べる。

「ミリーさん。それってどういう意味ー? ちょっとよくわからないんだけどー?」

さすがにてりすも眉を寄せつつミリーさんに聞く。

「そうですね。私だけで言ってはいけませんね。マイアサウラは発見された恐竜の化石の中で初めて子育てをしているのではないかという可能性が指摘された恐竜で良い母親トカゲという属名が付いたのです」

「……」

これは非常に気まずい。

仕事で忙しくて娘の面倒が見られず、家族サービスで親子共々楽しみにしていたゲームにサプライズ要素で下げて上げる、行けなくなったけどゲームはしておいでからの実は一緒にゲームするをやって娘に逃げられてしまったミリーさん。

そんなミリーさんが大発掘調査と、俺たちと一緒に化石掘りをして最初に出てきた恐竜が良い母親の名を関する恐竜が出てくるとか……。

実に気まずくて返答に困る。笑えねえよ! 反応には困るわ!

そりゃあ皮肉を言いたくもなりますよねー。

娘を放置して何化石掘りしてんのお前ー? ってゲームシステムに言われてるように思っても不思議じゃない。

気まずい……実に気まずい。

どうにかフォローしないといけない。

おいディメンションウェーブよ。もう少し空気を読んで出す化石を選べ!

よりによってマイアサウラを初手でミリーさんに出すんじゃない!

俺もそこまで恐竜に詳しくないけどさ。

というかサッと出てくるミリーさん。あなた本当に詳しいのですね。

「その……娘さんに誇れるように、娘さんの考えたキャラを演じていこうよ」

「そ、そうよねー! 博物館を立てて娘さんと再会した時に「私があなたの為に集めたのよ」とか言ってあげればいいとてりす思うなー」

デザートフィッシング

よし! てりすは良い事を言った!

件の娘と再会した際に博物館で自慢をすれば良いんだ!

むしろこの辺りのフォローはクレイさんの役目でしょうに!

ああ……ここで紡みたいな空気を読まない馬鹿が居ればもう少し場の空気を和やかにできただろうに。

……紡が居た場合どうなる? あいつもちゃんと空気読むよな?

『娘を放置して何化石掘りしてんのお前ー? ってゲームシステムに言われてるみたいだね!』

とか抜かしそう。いや、さすがにそこまで馬鹿じゃないよな? あいつ。

そこまでやったら下衆も良い所だし、姉さんにボコボコにされるぞ。精神的に。

延々とその話題で反省文を書くまで指摘される未来が想像できる。

うん……これは前に似たようなことを仕出かして姉さんから調教を受けている流れだ。

きっともう少し気の利いた返事をしてくれる。

俺の脳内紡が酷すぎた。

「……そうですね。娘に誇れるように頑張って行こうと決めたのですからやって行かないといけませんね」

「俺たちも娘さんの捜索は手伝いますので気になさらないでください」

「そうそう!」

だから本音で言えばそういう話題から離れて! 恐竜の一匹が発掘出来たよ! で終わらせてください!

なんて感じに気まずくなりつつあった大発掘調査は化石を完全に発掘することに成功した。

大発掘成功!

化石・マイアサウラ 破損率 5%

評価 S

ガシャーン! って感じの効果音と共に化石が完全に形となって確保できて色々と大量にドロップアイテムとなって俺たちのアイテム欄に流れ込んでくる。

当然のことながらマイアサウラの化石がボコボコと手に入ったぞ。

ただー……。

「同じ部位の化石が被ってるのはどうなんだろ?」

俺とてりすでそれぞれ同じ部位の化石が入っていた。

一応みんなで集めるとしっかりと揃うから良いんだけどね。

「余ったパーツは別の何かに使えって事じゃなーい? 装備とか、細工にも使えるのよ。フォッシルってね」

「建材にも使えるそうですよ」

「恐竜の骨で家とかロマンはあるね」

原始人的な発想で楽しそう。

「後は……なんか石板とかジオードがボーナスで入ってる」

「じゃあジオード頂戴ーてりすが砕いておくわー」

「うん。お願い」

「石板は私に下さると嬉しいです。古代言語という技能を上げるのに使うので」

「はーい」

ミリーさんは考古学の能力あげをしているようなので石板を渡す。なんの石板なのか鑑定しなきゃわからないし、専門家に任せるに限るよね。

「とりあえずこのように化石が掘れるので協力をしていただけませんか?」

「ええ是非とも」

今度はしっかりと良い化石が採掘できることを祈る。

マイアサウラが次に出たらクレイさんを何が何でも呼ぶか姉さんに擦り付ける。

「結構効率良さそうね。どれくらいの周期で出来るのかしら?」

「毎日できるようですよ。ほかにもこの辺りは個人でも化石掘りが出来る場所があるので好きに掘ると良いかと思います」

「おお……」

釣りの合間に楽しむには良さそうな場所が見つかってよかった。

そんな訳で気まずい結果になった化石の発掘調査は一応、成功に終わったのだった。

マメに化石を掘ることでついでに石材も確保できるので開拓は大分捗り始めた。

「そんな訳で手頃に砂海でフィッシング!」

化石掘りを終えて夕方になった頃、砂漠を前に俺はライブラリ・ラビットに乗って砂の中を泳ぐ魚へと挑戦する。

フィーバールアーでいきなり釣り上げて解析するのは辞めよう。

じゃないとサクッと仕掛けが分かってしまって退屈になってしまう。

今の俺に必要なのは答えではなく過程なのだ。

釣れないくらいが好ましい。

「手始めにルアー釣り!」

ヒョイっとルアーを遠くに投げて砂の中を泳ぐ魚の反応を見る。

とりあえずは白鯨骨のルアーで実験だ。青鮫のルアーもあるがこっちも使えるかと言うと怪しい。

属性ルアーも揃えてるけど砂の中に居る魚に引っかかるのか?

……

…………

………………

しばらく砂の上を引き摺って見たけど全く効果があるように感じられない。

やはりこれは間違いだという事だろう。

フライフィッシングで引っかかるか? いや、これも難しいだろうな。

だって虫に擬態して水に落ちた所を食いつかせるのがフライフィッシングだぞ?

どちらかと言えば砂の中に居る魚に察知させる方法を取らねば引っかかるものも引っかからないだろう。

無難に餌釣りか。

魚肉とかその辺りを括り付けておけば食いつくだろうか。

と、釣り針に魚肉を付けてそっと砂の上に置いて食いつくかの実験を行う。

……

…………

………………

「引っかからないな」

用心深いのか? それとも食べるものが違うのか。

別のゲームとかだと砂漠に居る奇妙な魚は直接攻撃や音による衝撃で砂からおびき出して一網打尽だったっけ。

そっちの方向性か?

大きな音を立てておびき出すシステムがそのまま採用されていると……ありそうではあるが、ここまで引っかからないのも悔しいもんだな。

だが、だからこそ面白い。

って思って居たらサササと砂の上を魔物枠では無い環境生物っぽいプラドサソリって虫が歩いてきて魚肉にはさみを付けて引っ付いた。

「……」

ヒョイッと持ち上げるとそのまま釣り上げ判定となってしまったぞ。

過去に闇影や硝子、紡にネズミ釣りをしそうと言われて否定した事を思い出した。

違う! これはネズミ釣りでは無い! サソリだからノーカウントだ!

「砂に潜るルアーとか必要なのかなー……」

そんなピンポイントでないとあの砂の中に居る魚が釣れないとでも言うのか?

てりすやクレイさんに作って貰わないと行けないのか?

いくら何でもなぁ……頼りすぎだし、それなら自分で研究して作らないと行けない次元だろう。

何かあるはずだ。

砂の中を泳ぐ魚を釣る手立てが。

考えろ俺……水晶湖でクリスタルフィッシュを釣ったじゃないか。

大事なのは観察だ。

俺の所持して居るスキルはなんだ? 狩猟具だぞ。

古来、魚を釣る事を人類が認識した際にした事はなんだ?

獲物の習性を理解する事だろう。

敵を知り己を知れば百戦危うからず……砂の中に居る魚が何を食べるかの調査だ。

「ハイディング・ハント」

そーっと俺は遠くに見える砂の中を泳ぐ魚に近づく……のだけど砂の中に潜られてしまった。

これは……厳しいな。

一度撤退して作戦の練り直しをしよう。

って事でオアシスのペックルハウスの自室に戻り道具の見直しを図る事にした。

この一筋縄ではいかない所が面白い所だ。

「随分と警戒心が強かったな……潜伏スキルも見破られた」

潜伏スキルで気付かれる? こりゃあ相当警戒心が強い魚って事じゃ無いか?

いや……なんで気付いた?

目視は出来ないし影とかそう言った要素も消せるかなり上位の性能を持つ俺のハイディング・ハントを見抜かれるってのは相当だぞ?

これに気づけるのには他に理由があると考えた方が良い。

「やはり音か、もしくはソナー能力か」

そりゃあ水の中とは違う訳でそれに合わせた生態がセットされているはずだ。

ここまで警戒心が高いとなると何かしら条件があるはず。

考えがまとまらないな。

ちょっと夜の散歩をしよう。

と、オアシスの周辺を散策に出かける。

「ピョーン」

「ピョーン」

ウサウニー達が顔文字さんとクレイさんの指示を受けて開拓業務に精を出している。

三交代制辺りで建築とかしているようだ。

稼働不全からすると大分動かせるようになったもんだなー……。

「ブルンブルーンですピョーン」

ズモモ……と、何かブレイブウサウニーが人間バイクみたいな奇妙なスタイルで石材を引き摺って行く光景に出くわす。

……それで良いのか?

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