「しっかりとリアクションに反応するか試すのは大事ですよ。クエストだったら反応するNPCも居ますからね」

「へー……そうなんだ」

今まで普通に言葉の通じないボスばかりと戦ってた。

クエストにそこまで力入れてプレイしてないからわからなかった。

「喋ってるし、人っぽいけど、大丈夫かな?」

「そういえば狩猟具のスキルはペナルティがありましたね」

「うん。ちょっと試すよ」

ダメージが入らなかったらミリーさん頼りになるな。

『砕けろ!』

カースダイノキングがツメを振りかぶると黒い斬撃がこちらに向かって飛んで来る。

「ペン!」

ブレイブペックルが庇うように前に出て防御体勢となる。

俺はスキルによる速度増加で目視出来る攻撃だったので回避動作を取りつつ接近する。

『これも受けろ!』

連続攻撃なのか二度目の斬撃が来るので避けるように回り込む。

どうやら一番近い奴にターゲットが向くようで俺を狙ってきた。

けれど元々速度のある俺に更に強化を施して居るので当たるような事は無く、自分でも驚く踏み込みでカースダイノキングに接近した。

「あらよっと!」

ボスって事で白鯨の太刀に武器をセットしてクレーバーで斬りつける。

グニュン! っと変な手応え。

化石に当たったと言うか黒い霧みたいな物を斬った感覚だ。

仰け反らせるとか出来ずにカースダイノキングが両手を振り上げている。

うん、ダメージは入るみたいだ。

属性的には竜やアンデッドなんだろう。

『喰らえ!』

「おっと」

って何か攻撃してくると思って距離を取ったのだけど、すぐに攻撃が来ない。

「絆さん、足下!」

言われて下を見ると俺の足下に黒い渦みたいなものが出ている。

ホーミング系の攻撃か。

黒い渦が大きく広がったのを確認……何か出てくるのが分かる。

「よっと!」

速度があるので目視で避けるとホーミングが解除されているようで渦は俺を追わずにいた。

で、何が出てきたかと思うと俺が居た場所にティラノサウルスの頭の化石が現われて大きく口を開いて噛みついていた。

ガブガブ! っと黒いオーラが発生した後、黒い炎が噴出している。

そのままズズズ……と化石が沈んで行く。

おー……攻撃は強力そうなエフェクトだ。

「当たったら痛そうだなぁ」

「中々固定化されてからの出が早いですので絆さん以外だと避けるのが大変そうですよ」

そうなんだ? 硝子や紡なら避けれそうだとは思うけどなー。

『私等の恨みを思い知れ!』

っと、カースダイノキングは今度は骨で作られた黒い霧を纏う小型のプテラノドンみたいな物を何匹も生成して周囲に飛ばしてくる。

カースダイノキングの遠距離攻撃がこれか。

「アイシクルレイン!」

「ペーン!」

「やるペン!」

ミリーさんが魔法を使い、ペックル達が各々近づいてくる小型のプテラノドンを迎撃して散らす。

『かの戦いはまだ続いている。私の配下達よ!』

で、ズズズ……と周囲の地面からスカルラプトルを含めた雑魚とカースダイノソルジャーっていう、人型恐竜の兵士みたいな奴が召喚されてこっちに襲いかかってくる。

カースダイノ

「召喚までしてくるかー……」

「この召喚ペースが永続なのか全部倒すと再度呼ぶのかの検証とかします?」

「厳しかったらで」

まだ手厳しいって次元じゃない、とはいえミリーさんと何か連携スキルを使うか考えたけど該当スキルをミリーさんと検証してないか。

まあ、ブラッドフラワーは結構いろんな魔法と繋がるらしいから適当にやっても行けそうだけど問題は雑魚も出てくるのでチャージしている余裕が無い。

雑魚と戦っている間にさっきの地面からティラノサウルスの化石召喚を織り交ぜてくるので避けづらい。

こりゃあ……雑魚を散らしながらボスへの効果的な攻撃をするのが良いな。

「はあ!」

っと、出てきたカースダイノソルジャーを白鯨の太刀で切り伏せると同時に武器の速攻チェンジで釣り竿にして青鮫のルアーをカースダイノキングに向かって飛ばす。

「あらよっと!」

『私等の――』

ガッ! っと喋ってる所で口にルアーを引っかけて一本釣りで釣り上げる。

「一本釣りからの~~~……破城槌!」

『うぐあ――!?』

お? のけぞり台詞!

「イラッとしたペン!」

ナーイスタイミング!

ブレイブペックルが必殺のバーニングを発動させそうなのでブレイブペックル目掛けてカースダイノキングを破城槌。

『お、おのれ……』

「ペエエエエエエエエエエン!」

カッとカースダイノキング目掛けてブレイブペックルがラースペングーに変化して爆裂を起こした。

『ぐああああああ!?』

お、良いダメージが入ったのかHPゲージがガクッと減ったぞ。

まあ……俺の与えダメージが大きいのか攻撃タイミングで殴ると良い感じに削れる訳だけど。

「良いダメージが入りましたね。行きますよ! 奏爆弾!」

「ミリーさん! 姉さんの居るところで絶対にソレ言っちゃダメだからね!」

ミリーさんがまだ隠し持っていたのかケミカルアシッドボムトマトを取り出して追撃の投擲をする。

「~~からの削岩撃! 貴方を発掘したかった! 倒したら博物館に展示します。私は呪いを克服して見せますよ!

娘に会えない呪いは絶対に解きます!」

本音が漏れてますよミリーさん。

と言うかちゃっかりいろんな攻撃を盛り込むね。

お茶目というか抜け目が無い。

これが……真の金持ちか!

成金の面倒臭がりとは異なる、本意じゃなくてもゲームを全力で楽しんでいる姿勢に金持ちになるモノの真髄を見た! と言うのだろうか?

って感じにHPがメリッと減った。

『うぐ……小癪な真似を……』

っとゲージが一旦弾けるエフェクトが発生した。

これは攻撃のチャンスであるボスのスタン状態か。

「絆さんが強いのでそこまで強敵では無さそうです」

「そ、そう?」

「一気に畳みかけましょう。絆さん……大技を。奏さんから作業の合間に貴方との連携技に関して聞いて居るのでクレイと一緒にあの魔法は習得してます」

お? 本当に抜け目が無い。

得意魔法は炎と水系統だって言ってたけど俺との連携も兼ねて教わっているのか。

「ふふ……娘も使いそうだなって魔法名を聞いた時に思ったんですよ」

あの魔法系統、娘さんも使いそうなのか。どこまで中二な娘さんなんですかね?

むしろ小学生の息子って感じじゃ無いです?

俺の友人内にいる闇影が脳裏に浮かんで来る。

そういやアイツ、これやる時に一緒にプレイするはずの友人がドタキャンしたんだっけか。

どこでも似たような話が転がってるもんだな。

速度増加状態で俺は白鯨の太刀に武器チェンジしてチャージに入る。

ミリーさんも魔法の詠唱を始めたぞ。

シュンシュンと音を立ててチャージ音が加速していく。

カースダイノキングは猛攻を受けた反動で行動不能になっているからこそ出来る状態だ。

まだHPゲージがそこそこあるけど一気に削りきりたい。

『私の、恨みは……この程度ではやられん!』

っとカースダイノキングはスタンから立ち直り、再度攻撃モーションに入った。

「ミリーさん、行くよ!」

「はい!」

キン! っとチャージが終わった所でミリーさんと呼吸を合わせて連携スキルを放つ。

魔法の熟練度は少なめだろうけれど連携スキルだ。火力は申し分ないはず。

「「ブラッディボムスプラッシュ!」」

何より、ボス特化の白鯨の太刀による一撃はディメンションウェーブイベント時とは目的が異なる。

あの頃よりもスキルによる盛りが激しい今だからこそ火力は更に増す!

オマケにカースダイノキングの近くに居た雑魚を巻き込んで追加効果も狙う。

『グアアアアアアアアアア!?』

『グルアアア!?』

ミリーさんの唱えたブラッディレインが俺の白鯨の太刀の刀身に宿り、暗いダンジョン内の周囲を赤黒く照らしながらカースダイノキング達を切り刻む。

アンデッドというか呪いで構築された設定っぽい連中ではあるが追加効果はしっかりと発動して赤黒い血玉へと変質してボスを含めた周囲の雑魚に連鎖爆裂を引き起こす。

その爆裂によりガクッと減ったカースダイノキングのHPを更に削り取る。

俺はサッと白鯨の太刀に付いた血糊を振って払う。

「おしい!」

ミリーさんが舌打ちするので確認するとカースダイノキングのHPが僅かに残っている。

まだ足りないか……。

「なら――」

ダメ押しの釣り竿変化からのルアーをぶつける。

ザシュッと青鮫のルアーが斬撃を発生させて僅かに残っていたカースダイノキングのHPを全て刈り取った。

『うぐわああああああ……馬鹿な……私たちの恨みがこの程度で……』

バァアアア……っとカースダイノキングがやられモーションとなって動きが止まった。

よし、後は絶命するのを待つだけか。

出来れば解体とかしたい所だけどどんなもんかねー。

『私の恨みは……この程度で、終わるはずがないぃいいいい!』

「は?」

霧散して行くはずの黒い霧が途中で止まり、カースダイノキングが俺へと素早く詰め寄ってきた。

おい、第二形態かよ!?

しかも随分と早いぞ。

『この魂が朽ちる事は無い。私の呪詛をその身に受けろぉおおおお! ギャオオオオオオオ!』

狩猟具のスキルでも対応出来ない程の速度、いや……瞬間移動で俺に掴みかかったカースダイノキングが俺へと黒い霧を吹き付ける。

「絆さん!」

「くっ!」

咄嗟に防御態勢を取る。

が……ダメージは想像よりも低かった。

けど問題はそこじゃない。

種族スキル。カースダイノを習得しました!

カースダイノ

スピリットの職業クエストスキル。

太古から存在する怨嗟を受けた体から具現化する恐竜たちの噛みつき攻撃スキル。

影から恐竜の顎が出現してかみ砕く。

一回の使用に4000のエネルギーと専用の呪いゲージを消費する。

取得条件、特定のクエストで出現するボスに呪われる。

ランクアップ条件 ???

えー……こんなスキルを習得しちゃうの?

なんかペナルティが発生してそうでイヤだな。

『呪われよ! 貴様等の未来に破滅あれ!』

バァ! っとカースダイノキングが纏っていた黒い霧が霧散しながら俺にまとわりついて溶けていく。

そして……カースダイノキングだった化石がバラバラと化石に戻って地面に転がった。

シークレットウェーブクエストクリア!

ってテキストが表示された。

――総合評価一位、絆†エクシード。

二位、ミリー。

二人でやったんだから当然の結果だとは思うけど少し寂しいリザルトだなぁ。

「やりましたね」

「そうだね。ただ、ミリーさんが一位じゃないのか」

総合評価としてミリーさんが謎解きに貢献して俺は戦闘担当だったような気もするけど。

「私は基本、調査をしてましたし隠し通路とかに移動する際には絆さんがルアーを使った移動をしていたからでしょうか」

「かなり接戦だっただろうと思う」

「ふふ、では少し残念がりましょうか。悔しいです。あと少しで1位を取れたのに」

「あんまり悔しそうに感じませんね……」

こう、大人な対応過ぎて遊ばせてもらってる感が凄いなぁ。

呪われた武器

「リザルトを確認するとマップ解析率。施設使用率は大分私が稼いで居るみたいです。とはいえマップ解析率は7割と言った所のようですが」

「あんまり寄り道しないで来ちゃったからな……施設利用率……ショートカットは減点なのか加点なのか」

「加点っぽいですね」

へー……加点なのか。

「やはり戦闘関連は絆さんが飛び抜けてますね」

「ゲームを始めた頃には考えられない戦績に俺も驚かされてる」

俺がここで活躍するとかね。

知恵を駆使して上位に差し込んでいたのにごり押しが多いよ。

「それより絆さん。大丈夫でした?」

「うん。呪いを受けたけど……スキルを習得させられた」

「どのようなスキルですか?」

「カースダイノってスキルでエネルギーと呪いのゲージを消費して影から恐竜を出して攻撃する種族スキルらしい。自動習得でマナは消費してないけど外せない感じ」

「試し打ちは出来ますか?」

「えーっと……習得したばかりでゲージが溜まって無い」

ゲージが新しく出てるけど溜まってないのか使用出来ない。

これってどうしたら溜まるんだろうか。

時間経過か? それとも特定の動作で溜まるのかこの辺りは検証しないといけない。

ただ……この呪いゲージって貯めて大丈夫なのか?

色々とペナルティが発生しそうでイヤだな。

「大丈夫なのでしょうか?」

「うーん……能力低下とかの効果がありそうだけどそこは検証しないといけないかな」

俺は呪われてしまったって感じだ。

「ノジャさんが聖なる魔法を習得してますので解呪が出来るかも知れません」

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