「どうだろうね。所で絆さん。連携技に覚えはあるかい?」

「ブラッディボムスプラッシュ、ブラッディレインって魔法とブラッドフラワーで撃てたな」

「おや、闇魔法。生憎とまだ習得出来てない奴だね」

闇影はその辺りの魔法を覚えて居たけどクレイさん達は未習得か。

「らるく」

「あいよ」

「バーストサンダーレイン」

「紅天大車輪」

バチン! っとラルクの鎌に雷が落ちる。

「「ライトニングホイール!」」

バチバチッとラルクが雷を纏って大きくなった鎌を振りかぶって三回斬りつける。

「「ギイイイイイイ!」」

すると魔物達が一閃に切られて派手なダメージエフェクトが発生し、仰け反る。

「連携技を使っても仕留めきれねえか」

「後は任せてくれ」

俺も魔物達へと攻撃してトドメを刺す。

そうして戦って少し経った頃……魔物達を倒しきる事が出来たのだった。

『今夜の襲撃は終わったピョン!』

タワーディフェンス

どうやら完全に敵の襲撃は終わりを見せたようだな。

「ふう……」

「お疲れ様」

「いきなりこんなイベントが起こって焦ったぜ」

「とりあえず被害状況の確認をしないと行けないね」

「ええ。絆さんはお姉さん達の方へ向かって下さい。協力ありがとうございます。私たちもすぐに向かいますので」

ミリーさんが姉さん達の居る方向を指さす。

「わかった。じゃあお先に」

と言う訳で俺は姉さんと顔文字さん達の方へと向かう。

するとー……うわ、畑の一部が破壊されて育てていた作物が台無しになってしまっている。

顔文字さんががっかりしてるだろうな。

「あ、絆」

「おお……島主」

「絆ちゃん。やっほー」

顔文字さん達を見つけたので軽く手を上げて合流する。

「いきなり襲撃って事で魔物が出てきたけど……畑の方はどう?」

「一部は壊されてしもうた。幸い一部で済んだがの」

「一体何なんだろうな? これは」

倒した魔物の亡骸を確認する。

アリの魔物、名前をダインブルグホーンソルジャー、それとアースリザード。土のトカゲか。

「ふむ……先ほど、ウサウニーは今夜の襲撃と言っておった」

「流れ的にまだ襲撃があるって事になりそうだな」

「新しいイベントって事なんでしょうとは思うけど厄介ね」

「クエストだからちょっとワクワクもしてきたのは不謹慎かしら?」

不謹慎かと言えば……どうだろうか。

ハプニングイベントって思えば良いのかも知れないけど。

「俺からするとマンネリになりつつあった開拓イベントに新しい要素が入ったとも言えるけど、顔文字さん達からすると困り事でしょ」

「そうじゃな。幸い大きな被害は無かったがの。ウサウニーに確認をせねばならんな」

「ああ」

という事でクレイさんとも合流した俺達は今回のイベントがどんな代物だったのかの情報整理をする事にしたのだった。

そうして顔文字さんを筆頭に色々と情報整理を行いみんなで集まって話をする事にした。

「今回の襲撃がどのような代物かが分かってきたのじゃ。ではクレイ」

「そうだね。ウサウニー達に聞いた所で分かったのは今後も発生するって事だね」

「やっぱりそんな感じなんだ」

「それでどんなイベントなのよ?」

俺と姉さんが顔文字さんとクレイさんに尋ねる。

「言ってしまえば防衛イベントじゃな、ウサウニーの指定指示の中に偵察という項目が新たに出現し偵察班というモノを出せる様になっておる」

「偵察ね」

「一定時間ダンジョンに行かせるのと同じように偵察に行かせられるようじゃ。サンタ帽子ウサウニーの説明だとこれで次に来る襲撃時間と敵の大まかな進路、数を把握する事が出来る様じゃな」

「偵察組の能力で把握出来る精度が変わりそうな項目だな」

「あるじゃろうな」

何処の戦略ゲームだろうか? とは思うけどマンネリにさせない仕掛けと思えば良いのかね。

アップデートの影響でカルミラ島の方でも起こってそう。

「それと敵を倒した際にわらわのアイテム欄に防衛チケットなる報酬が追加されおった」

「防衛チケット?」

「うむ……どうやら集めるといろいろな物資と交換出来る代物なようで、サンタ帽子ウサウニー曰く秘蔵のアイテムを出すピョンと抜かしておったぞ」

「そんな秘蔵アイテム、最初から出せって奴だな」

ゲーム独自の闇だよね。

こう……カジノとかで景品にある武器とかゲームクリア後でも通じるような代物があったりするの。

これを使って魔王でも何でも倒せ的な。

カルミラ島の水族館に魚を寄贈した際に得られるコインと似たようなもんだろう。

……そう言えば交換せずにここに呼ばれてしまったなぁ。

「しっかりと集めて一番良い景品と交換するか手近で使えそうな代物と交換するか悩む奴だね」

「わらわは貯めて一番良い物と交換するのが好みじゃ」

「おー俺もそうだなー」

ナカーマと言った感じで俺と顔文字さんがハイタッチする。

「はは、道中の冒険を快適にする方が便利だと私は割り切ってそこで使えそうな代物と交換してしまうよ」

「紡もそう言ったタイプだな。姉さんは初見プレイだと俺と同じで事前情報が分かってると紡と同じコースを取る」

効率を求める人だと一番では無く今便利に進める代物と交換するんだろうね。

最強装備と交換しても使う瞬間なんてほぼ無いなんて話が大半だから。

「この場合はどっちが良いかのう?」

「ノジャさんは最強を求めているのではなく開拓を終える事が大事だと認識しているよ」

「となるとクレイに一番良いと思う物を任せるのが良さそうじゃな」

確かにそうだな。

倉庫の肥やしとするよりも使って開拓を有利に進めさせるのが望ましいか。

「話は戻って一応偵察組のウサウニーを既に派遣させておる。どんな結果になるかはその時に判断じゃな」

「うん。わかったのはそれだけ?」

「いや、他にもあるのじゃ」

「まだ始まりの雑魚魔物と判断する相手なのに私たちが相当攻撃しなくてはいけない相手だったね」

「確かに倒せなくは無かったけど固かったわね」

「厄介よねーらるく」

「そうだな。絆の嬢ちゃんは単独で仕留めきったみたいだけどよ」

「絆ちゃんは火力お化けだから当然でしょ」

あー……顔文字さん達の基準で言えば俺って倍以上の火力を所持して居るからごり押しが通じるけどみんなはそうはいかないか。

まあ、なんかタフだなとは俺も感じていた。

「これをまだ未発見のイベントで遙か先のアップデートで出てくる魔物だから強いと判断するべきかと言う所だね」

「そこで報告なのじゃが、妾と島主が実験で育てていた畑の区画は他の被害を受けた畑に比べてほぼ無傷じゃった」

「その理由は何なんだい?」

「うむ。どうやらバルカンフラワー等が襲撃してきた魔物共を敵と認識して狙撃して倒しておったようじゃ」

あの実験植物たちが善戦したもんだな。

「アンタたちが悪ふざけで育てたアレがそんなにも強いの?」

「ダンジョン内に生えてる奴はそこまで強くねえよな」

「うむ、ここから考えられるのはそこまで多くないじゃろ? 何より、外界での最近のディメンションウェーブイベントを考えて見るのじゃ」

ここでてりすやミリーさん以外がどういった代物なのかの予測が付いたようだ。

俺もなんとなく分かってきたぞ。

「出てくる魔物にはプレイヤーの攻撃にダメージ耐性があって植物には耐性が無い……設置物のダメージが素通りって所と防衛戦って考えるとアレだよね」

拠点防衛をしながらタレット設置して進行してくる相手を殲滅するって。

イベント中も魔物達の侵攻先がマップに見えて居たし間違い無い。

「タワーディフェンスか」

「うむ。そうじゃろうな」

領地に侵入してくる敵を倒す事が目的で自軍のユニットを設置して対処するリアルタイムストラテジーって類いのゲームだ。

1ステージをウェーブと呼称する所からディメンションウェーブイベントでもそう判断されていた奴。

ユニットや設置物を設置して敵を倒して資源を補充しながら強化などをして敵が居なくなるとステージクリアとなる。

「魔物達は領地内の建物を目指して攻撃してきた。こちらは建物を壊されないように守るのが目的じゃろうな」

「素直に領地開拓をさせてくれないってのは厄介ね」

「とはいえ魔物のドロップ品も無くは無いから対処さえ出来れば収入は見込めるね」

完全にシステム面で仕組まれた奴だ。

「プレイヤー数で対処するイベントじゃないのは分かるけどどうしたものかね」

姉さんが腕を組んで考えている。

「植物の攻撃の通りが良かったのを考えるとそれを畑に植えて回って防衛装置にするって流れにするのかしらね。些か非効率的だし、絆達の悪ふざけがこうして結果に繋がるのは腹立たしいわね」

「結果良ければ全てよしなのじゃ」

顔文字さんも言うなー。

俺もあの奇妙な植物がこんな結果になるとは思わなかったよ。

ただ、釣りでここまで上り詰めた俺も似たようなモノか?

防衛案

「何にしてもさ、顔文字さんにクレイさんに姉さんが居れば楽勝でしょ。こういうの得意そうな人が三人も居るんだし」

カルミラ島の時は問題に対して適材適所な人材を求められたけど、今回のイベントに関しちゃ得意として居る人が三人もいる。

ディメンションウェーブイベントの初期からリーダーをしていた最前線に立つ顔文字さん。

リアル会社の社長にして商人としてアルトと双璧を成すゲーム内での大商人のクレイさん。

システムを熟知すると途端に頭角を現し、効率化に関しちゃ他の追随を許さない姉さん。

この人材がいればタワーディフェンスイベントなんて余裕も余裕!

「そんな訳で俺は釣りに戻る! じゃあ後は任せた!」

逃げるが勝ちだ!

俺の出る幕なんて全く無い!

こういう面倒なのは頭の良い人にやってもらうに限るね!

「待ちなさい!」

っと、ダッシュで釣りに向かおうとした俺の首根っこを姉さんが掴んで持ち上げてきた。

「にゃーん。姉さん何するんだよう。釣り人がこの布陣に必要?」

「何がにゃーんよ。言わんとしてる事は分かるけど話を聞きなさい。何よりアンタの攻撃力は突き抜けてるんだから必須でしょうが」

「うむ。確かに妾達の得意として居る代物というのは否定せんが島主はちゃんと戦力としてカウントされるのじゃ」

「そんな訳で俺達は損害箇所の修繕に行くぜー」

「いってくるわねー」

あー! らるく達ずっりー! 俺も日課の釣りに戻りたいのにー!

何より仮眠とりたーい!

「ははは、絆さんは自由だね。悪いのだけどどうやら指定したプレイヤーには一定時間、ダメージ減算が掛からずパワーアップするギミックがあるようでね。その時には絆さんには頑張って貰いたいのさ」

「ええぇええー……」

「まだこのイベントは序章って事で途中でボスでも出てくるのが分かってるって事ね。何よりアンタはギミック無しで戦える位には火力があるんだからやりなさい」

うへ……つまり俺はアタッカーとして戦場で暴れろって事かよ。

このゲーム以外じゃあり得ない状況だぞ。

「そもそもの話よ。プレイヤーの直接攻撃も加味されたシステムを考えるとボス戦はプレイヤーに委ねるって事もあり得るのよ」

「どれだけ上手くやっても防衛戦をボスにひっくり返されて最終防衛ラインでプレイヤーとガチバトルってゲームがあるのじゃ」

「ダイナミックな展開で非常に盛り上がるけれどその後の被害を考えると全く笑えないギミックだね。正直、そう言った代物じゃ無い事を祈るよ」

「畑や建築物を守るように砦でも作る感じ?」

「出来なくは無いだろうけどウサウニーやペックルにそこまでの代物を詳細に作れるレシピが無いね。あるのは城だけだよ」

「侵入ルートを狭める柵は設置出来るようじゃがのう」

自由度のさじ加減も色々とあるからなー……効率を考えたら出来る事は無限大だ。

けれどそこまでのシステムにはしてないか。

できる所と出来ない所の区別はある。

「大工系のプレイヤーを呼ぶと言う手もあるけどそこは手詰まりになった際で良さそうだね」

「サンタ帽子ウサウニーも尋ねてこないのじゃ」

当面の問題はここのプレイヤーで対処出来るか待つって段階か。

「そんで襲撃に関してだけどどれくらいの周期でくる訳?」

「偵察から帰って来るウサウニーの情報次第じゃが、毎晩かのう?」

それはそれで面倒だなー。

「普段は雑魚で一定周期で強力なのが来るとかもありそうね」

「ありそう」

結構メタな発想が出来るのがゲーマー故の考えだよね。

「何にしても畑に防衛装置としての植物を設置せねばならんか……すぐに植え直せば楽なんじゃがそこまで便利に出来ておらんからどうしたものかの」

Перейти на страницу:

Поиск

Книга жанров

Нет соединения с сервером, попробуйте зайти чуть позже