ユウェロイがうめくくらいで済んだのは、心の底から拒否したわけではないからだ。彼女が度々フローロやナギアが口で奉仕するところを覗いていることを、Olは知っている。
ふ、ふざけるな!さっさとそんなもの解除しぐあぁっ!!
今度は本気で拒否したのか、先ほどよりも強い痛みがユウェロイを襲った。
無理だ。一度結んだ契約はそう簡単には解けぬ。指導を完遂するまではな
そういいつつ、Olは寝台の縁に腰掛ける。
ここにうずくまり、横から口で奉仕してみろ
くそっ指導とやらが終わったら、覚えていろよ
ユウェロイは歯噛みしつつも、言われた通り膝を揃えてベッドの上に座ると、上半身をそのまま倒してOlの男根に顔を寄せる。ちょうど四つん這いになってOlの横側から腰に顔をうずめる様な形だ。
これでいいのか
うむ。これならば手が届く
そういってOlは腕を伸ばすと、ユウェロイの尻に手のひらを当てた。
おいっ
やめろ、と言いかけてユウェロイは口をつぐむ。何度も味わいたい痛みではなかった。
そら。舌で舐めてみろ
くっこう、か?
ユウェロイは片腕で己の上半身を支えながらもう片手でOlの怒張を握りしめると、その先端に恭しく口づけた。フローロの口淫を盗み見た知識しかない彼女は、それを正しい方法だと思っているのだろう。
意外な仕草に、Olはするりとユウェロイの膣口に指先を滑り込ませる。そこは既に期待で濡れそぼっていて、Olの指を簡単に受け入れた。
途端に股の間から走る快感に、ユウェロイは思わず高い声を漏らす。それと同時に、ほんの少し入り口を触られただけなのにどうして自分の指で触った時とこんなにも違うのか、と愕然とした。
罰だけでなく、褒美もやらねばな
ほ、褒美?
俺の言葉に従わねば罰が下る。であれば、従えたのなら褒美があるべきだろう?
Olはもう片方の手でユウェロイの頭を軽く撫で、口奉仕を促す。ユウェロイは一瞬躊躇った後、舌を伸ばして剛直を舐め上げた。
その動きに連動させるように、Olの指先がユウェロイの膣壁をくすぐるように撫でる。
腰から走る痺れるような快感。だがそれにユウェロイが動きを止めると、Olの動きも止まる。ユウェロイが舌で舐めると、Olの指が中を擦る。
そうするうちに次第にユウェロイもその快楽に慣れてきて、もっと強い刺激が欲しくなってきた。入り口だけでなく、もっと奥に指を入れて欲しい。そう思いユウェロイは懸命にOlの一物を舐めるが、指はちっとも奥まで入ってこようとはしない。
んむっふあぁっ!
堪らなくなり、勢いに任せてユウェロイが亀頭を口に咥え込むと、Olの指が急にずぶりと奥まで侵入してきた。その衝撃に思わず口を離してしまうと、指もするすると外に出て行ってしまう。
連動しているのだ、とユウェロイは悟った。もう一度男根を口に含めばやはり指も奥に割り入ってきて、ビリビリと快楽が走る。
それからはもう、ユウェロイは必死に男根を舐めしゃぶった。ただ動きを連動させているだけではない。おそらく、快楽自体も連動させているのだ、とユウェロイは気づく。ユウェロイがOlを気持ちよくすれば、その分Olの指もユウェロイの気持ちいいところをなぞった。
丹念に雁首のくぼみを舌でなぞり、舌だけでなく手のひらで竿をしごき立て、Olの股座に顔を突っ込んで根元の袋から先端までを舐め上げる。
脳裏に描くのは幾度となく覗き見てきたフローロの奉仕だ。残念ながらユウェロイの胸のサイズでは挟み込むことはできないが、フローロの愛情のこもった口淫奉仕を真似してOlのモノを舐める。するとOlもそれに応えてユウェロイの性感を刺激する。
気持ちいいんだ、とユウェロイは思う。Olの事を気持ちよくすればするほど、自分も気持ちよくしてもらえる。それはとても嬉しいことだ。だがだんだんと、ユウェロイはOlを気持ちよくすることそのものに喜びを感じ始めてきた。
亀頭を口の中に含んだまま、舌でその先端を舐めてみる。それはフローロの真似ではなく、ユウェロイ自身が考えやってみた事だった。覗き見ているだけでは、口の中でどうしているかまではわからないからだ。
するとOlの手が、ユウェロイの頭を撫でた。
褒めてもらえている、とユウェロイは感じる。普通ならば屈辱を感じるはずのその動作に、ユウェロイは何故か幸福を感じてしまった。おそらく、さほど気持ちよくはなかったのだ。だが、その挑戦そのものは評価した。そういう意図をユウェロイは感じ取る。
そしてそれはつまり、先ほどの行為が挑戦だったのだとOlは知っている、ということであった。自分の努力をちゃんと認識してもらえている。それはとても嬉しいことなのだと、ユウェロイは初めて知った。
ユウェロイは思いつく限りのことを試してみた。口内のペニスを強く吸ってみたり、舌先で先端の穴を刺激してみたり、あるいは軽く歯を立ててみたり。それのすべてに、Olは詳細に応えた。良い試みであれば頭を撫でつつもユウェロイの気持ちいいところを擦りあげ、そうでなくても試み自体は褒めてくれる。
頭を撫でつつ膣口の浅いところをトントン、と叩かれた時には、それはやってはいけないことなのだと学んだ。だがそんなときでも、Olはけしてユウェロイに痛い思いや苦しい思いはさせなかった。痛みを与えたのは、ユウェロイが約束を破った時。つまりは指示に従わず拒否した時だけだ。
失敗は、違反ではない。そんな当たり前のことを、しかしユウェロイは今まで気づいていなかった。部下が与えた任務に失敗したとき、彼女は必ず厳しい処罰を加えてきた。そうすることが正しいのだと──教え、られて。
行くぞ。飲め
それに気づいたとき、Olからそう指示が投げかけられた。口内のペニスが膨れ上がり、脈動して、熱い液体がその先端から噴き出した。
それは生臭く酷い味で、思わずえずきそうになるのをぐっと堪え、ユウェロイは言われた通りにそれを飲み込もうと努力する。しかし大量に流し込まれる白濁の液に、堪らずむせて吐き出してしまった。
よく頑張ったな
口と鼻から精液を垂らし、叱責に怯えるユウェロイを、しかしOlは優しく頭を撫でながら布で顔をぬぐい、ねぎらう。
そのOlの動作に。
ユウェロイは、己が今までいかに間違っていたかを悟った。
第14話孤独な少女を救いましょう-2
Ol様
長い情事を終え、ユウェロイはOlにぴっとりと寄り添い横たわりながら、彼の名を呼ぶ。様をつけて呼ぶことに、もはや何の抵抗もなかった。
これ以上はないと思うような快楽を何度も何度も更新され、自分ですら聞いたことのない声で喘がされ、数えることすらできない程に絶頂させられ、そして何度も膣内に熱い精液を注いでもらった。
その情交のすべては、ユウェロイへの労りに満ちていた。以前魔力の為に交わった時ともそして、ブランとの交わりともまったく違う。愛情の交歓がそこにあった。今までのブランとの睦み合いは、ただユウェロイの身体をもてあそばれ一方的に快楽を与えられていただけに過ぎないのだと知ってしまった。
あなたはどこかで領主をされていたのですか?
いいや。王だ
自分などとは格が違う。そう思って問えばとんでもない答えが返ってきた。今の世の中で王と言えば、かつての魔王を破り人間の治世を取り戻した勇者王その人だ。僭称することはけして許されていない。
だが、彼が別の世界から来たという話を思い出す。少し前までのユウェロイであれば世迷言と切り捨てていただろうが、今ならばすんなりと信じることができた。
領主であることは辛いか
ユウェロイの肩を抱き寄せつつ、Olはぽつりとそんな事を問う。突然に核心を突かれてユウェロイは身体を震わせた。
それは誰にもブランにすら、打ち明けたことのない本音であった。ユウェロイは領主になどなりたくはなかった。だが血筋と、ブランという大きすぎる力がそうならないことを許してはくれなかった。
強い壁族であることを示すために虚勢を張り、傲慢に振舞い、逆らうものがあれば容赦なく処罰した。少しでも甘い顔を見せれば民というものは付け上がり、こちらを侮るものなのだと教えられた。
だが本当に必要なのはそうではなかった。ただ快楽を欲して受けた指導だったが、それはまさしく指導であったのだ。戦士としてではなく、領主としての。
私は、今からでも良き領主になれるでしょうか
一人では難しかろうな。失った信頼を取り戻すというのは、言うほど簡単なことではない
それはそうだろう、とユウェロイも思う。今更手のひらを返したところで、部下たちはまた壁族の気まぐれが始まったと思うだけのはずだ。ユウェロイの後ろにはどうしたってブランがいる。中層最強の彼女がいる以上、ユウェロイには逆らえない。その図式は変わらないのだ。だが、ブランがいなくなればユウェロイ領は瓦解するだろう。
だが、お前には俺がいる。俺ならば、領主として本当に必要な事を教えてやれる
本当ですか?
ユウェロイは喜びに目を見開いて、Olを見つめた。自分のやり方が間違っていたことは自覚したが、だからと言って具体的にどうしたらいいのかというと窮してしまう。それを教えて貰えるのならば願ってもないことだった。
ああ。夜ごとでもな
毎日ですと、公務に差し障ってしまいます
喉が枯れそうなほどに叫んだ事を思い出し、ユウェロイは控えめにそう口にする。今後も可愛がってもらえるのは嬉しいが、とても身体が持ちそうもない。
今も腰砕けになり起き上がることも億劫だというのに、Olにはまだまだ余裕がありそうだった。彼が何人もの相手と関係を持っているのも頷けるというものだ。
だが、そうするには一つ必要なことがある
からかうような口ぶりから一転し、改まった口調で告げるOlにユウェロイは息をのむ。その先に続く言葉を予測できたからだ。
ブランを討つ
そしてその予測は当たった。
安心しろ。討つと言っても殺してしまうわけではない
ブランがユウェロイに対して吹き込んだ教えは、確かに間違っていた。しかし彼女を慕い尊敬する気持ち自体がなくなってしまったわけではない。親を亡くしたユウェロイを守ってくれたのは紛れもなくブランなのだから。
それにおそらく奴自身もそれを望んでいるだろうからな
Olの不思議な物言いに、ユウェロイは内心首を傾げる。確かにブランは屈するくらいなら死ぬ、というようなタイプではない。だがそれは殆どの者がそうなのではなかろうか。
いや、少し前の自分ならばそのくらいのことは言ったかもしれない、とユウェロイは自嘲する。実際には命を絶つ度胸などないくせに、壁族の矜持に縋って生きていたかつての自分は。
私に何かできることはありますか?
この日のために──この言葉の為に、Olはユウェロイに快楽の種を植え付けた後、わざわざ殴られてまで彼女がOlを認めつつあることをブランから隠したのだ。
お前にしかできないことがある
ブラン様!もう我慢なりません。あのOlという男を即刻処刑してください!
その日、自室で鍛錬に励んでいたブランは、ノックもせずに勢い込んで入ってきたユウェロイに目を丸くした。彼女がブランの前でこれほどまでに怒りをあらわにするのは非常に珍しいことだったからだ。
一体どうしたのですか?
どうもこうもありません!あの男ときたら昼間から何人もの女を侍らせ色事にふけり、ロクに探索もしない始末!あのような男が我が領にいることが我慢できません!
烈火のごとき怒りを見せるユウェロイに、少し潔癖に育てすぎたかしらとブランは思う。彼女も一応Olの動向は監視してはいるが、処刑するほどのものではないと認識していた。むしろ
ですが彼は結果として十分な上納を集めていますし、ハルトヴァンを押さえ、レイユとも同盟を結んでいるでしょう。確かに少々独断が過ぎますが、処刑というのはあまりにもそれに、姫様がお許しにならないでしょう
ブランが庇護する少女。何よりも大切な存在。彼女を思うと、ブランの心中はいつもかき乱される。フローロを悲しませることなどあっては、ならない事だ。
それがブラン様を討つ為の準備であるとしても、ですか?
ええ。構いません
その可能性は考えていた。むしろあの男であればそれを当然画策している事だろう。だが何の問題もない。
私は負けませんから