随分綺麗に切ってくれたからな。元に戻す程度、造作もない
そう嘯くOlの手足には、傷跡どころか血の跡一つ残っていない。フローロは今更その程度では驚く気にもなれなかった。
さて。それでお前はどうするのだ?
魔族を奴隷の身分から解放します
きっぱりと答えるフローロにOlは一つ頷く。
なるほど、大した心意気だ。だがお前一人にそれが出来るか?
いいえ
フローロは首を振り、じっとOlを見つめた。
彼の言いたいことはわかっている。
現状を変えたいと願うのであれば、Olの力を借りるしかない。
彼はその力を持っている。文字通り、この世界を変革する力。どこから来たのかもわからない、非常識な能力だ。サルナークが最上層を夢見たのも無謀とは言えないだろう。
だがと、フローロは考える。
Olと関わった時間はまだほんの僅かだが、それでもわかっていることがある。
彼はけして、善人ではないということだ。
少なくともフローロが彼を助けたことに恩義を感じてはいるようだし、それを仇で返すつもりもないようではある。しかし決して無条件に信頼できるような相手ではなく、ほんの少しでも隙を見せれば食い殺されるような恐ろしさを感じた。
対価もなく協力してくれと言ったところで無駄だろう。
私には、あなたの力が必要です。ですが、どれほどの対価を用意すればあなたの力を借りるに足るのか、私には想像すらつきません
Olは僅かに眉をひそめる。それはどういう感情なのかわからなかったが、無視してフローロは続けた。
ですから私のこの身全てを捧げます。それであなたの力を私に貸しなさい
そのような取引をせずとも、俺はお前の全てを手に入れることができるぞ
フローロは頷いた。
わかっています。ですが、あなたはそうしません
やるつもりなら、先程そうしていたはずだ。そう返しても、Olはいつでも出来るからあえてしなかっただけだと答えるだろうし、事実その通りだろう。
あなたは、誇り高い方だからです
だがその返しは想定していなかったのか、Olは僅かに目を見開いた。
あなたは強く、そして誇り高い。仰るとおり、私を手に入れようと思うならそう出来るでしょう。だからこそ、私を騙したり誤魔化したりする必要などない。私が差し出せるものを全て差し出し、それでも足りないと言うのならば、話はそれまでです。あなたのしたいようにすればいいでしょう
選択肢などそもそもないのだ。フローロにはもう何も残されてはいない。全てを奪いつくされ、魔王などという称号も名ばかりだ。
だから、彼女が使えるものはたった一つ。誠意だけであった。
お前な仮にも王を目指すというのなら、もう少し駆け引きというものを学ばぬか
しかしそんなフローロに対してOlが浮かべたのは、酷く呆れた表情だった。
まずはそこから教えてやらねばならぬようだな。全く骨が折れる事だ
そ、そんなに言わなくても良いでしょう。それで、どうなのですか!協力してくれるのですか、してくれないのですか!?
フローロが問うと、Olはますます呆れを強くする。
愚か者が
溜息とともに罵倒するOl。
あ、あの
ナギアがそこにおずおずと割って入った。
教えてやるってことは協力してくれるってことなのではありませんの?
フローロの瞳が、みるみるうちに大きく見開かれ。
察しの悪い奴だ。これでは先が思いやられる
ありがとうございます、Ol!
頭痛を堪えるように額に手を当てるOlに、フローロは頭を深々と下げた。
まずはこの最下層を抜け出したいと思います。どうか、よろしくお願いします
違うな
低く呟くようなOlの言葉に、フローロは首を傾げる。
ダンジョンの最下層とは卑しいものの住む場所ではない
ダンジョンの最上層と言ったところで、その上には地上があり、空があり、月が、太陽が、星々がある。
ダンジョンの支配者。もっとも偉大なるものが住む場所だ
だが、最下層はそうではない。それは人の至る場所の最終到達点。最も深き深奥の地。
故に我々が最上層を目指すのではなく──
これは、二人の魔王が天を目指す物語ではない。
他の者共に、ここを目指させるのだ
最深部を、取り戻す物語である。
第3話魔王の才覚を確かめましょう-1
ふむ意外と悪くはないな
品のいい調度品の並んだ部屋を見渡し、Ol。そこはサルナークが使っていたという部屋であった。流石は最下層の支配者を名乗るだけあって、皮が一枚敷かれただけのフローロの部屋とは段違いであった。
あの、Ol?
本人は壁の中だ。別に俺が使っても構わんだろう?
それは、誰も文句を言わないとは思いますけど
フローロは戸惑った様子で入り口を見つめながら、問うた。
どうして入り口を閉めるんですか?
Olのダンジョンキューブが壁を作り、唯一の入り口を塞いでしまっていたからだ。
何。余計な邪魔が入ってもつまらんのでな
そう言ってOlは羽織ったローブを脱ぎ捨てると、フローロを射すくめるように視線を向けた。
全てを差し出すといったお前の覚悟のほど。疑っているわけではないが、どれほどのものかを確かめさせてもらう
はい!
フローロはきりと表情を引き締め、頷く。
今からお前を、抱く
しかしOlがそう言うと、彼女は不思議そうに首を傾げた。
それで覚悟のほどがわかるんですか?
まあ、ある程度はな。お前が慣れておらんのはわかっている
奴隷と言っても、フローロの主人は彼女を性奴としては扱っていないようだった。経験があったとしてもせいぜい一度か二度のことだろう、とOlは踏む。
よくわかりませんがどうぞ
フローロは腑に落ちない表情をしたまま、そう言って立ったまま両腕を広げた。
何のつもりだ?
あ、すみません。覚悟を問うなら、自分から行動すべきでしたね
フローロはそう言うと、Olに近づき、彼を真正面からぎゅっと抱きしめる。
どうでしょうか。覚悟のほどは伝わりますか
そして抱きついたまま、真剣な表情でOlを見上げた。
そうでは、ない
Olは彼女の身体をひょいと持ち上げると、半ば放り投げるようにしてベッドの上に横たえさせる。
これからお前を犯すと言っているのだ
そしてその瞳の奥底を覗き込むようにして、言った。
おか、す?
一方で、フローロはキョトンとした表情でオウム返しに問い返す。
すみません、犯すとは、どのような事を指しているのでしょうか
経験が少ないどころの話ではない。
全く何も知らないのだ。
Olはそれを悟って、頭を抱えた。
今から
そうは言っても、知らないからと言って今更引っ込みはつかない。それにいずれにせよ、これはやっておかなければならないことでもあった。
お前の誇りを、汚すような行為をする。それを受け入れろということだ
Olがそう言うと、流石にフローロは難しい表情を浮かべた。
それは言葉通りに捉えていいのでしょうか
実はどうしても譲れないような誇りを持っているかどうかのテストというような事はありませんか?
だがそのピントは、どこまでもズレていた。
そもそも犯すと言われて何をされるかすらわからんのに、譲れるかどうかもあるか
あ、そうですね
いまいち理解していない様子で、フローロは頷く。
まあ良い。そのような引掛けはない。ただお前は、今から俺がもたらす苦痛に耐えればよいだけだ
我慢比べですね
真剣な面持ちのフローロに、別にOlの方は何かを我慢するわけではないのだが、などと言う気も失せた。
え?わ、うぷっ
Olは返事を聞かずに、強引に彼女の着ている服を剥ぎ取る。
そして、その光景に思わず息を呑んだ。
垢染みた粗末な服からは想像もできないほどに美しく、シミ一つない滑らかな肌。腰は触れば折れてしまいそうに細くくびれていながら、むっちりとした尻と太股は男の劣情を煽ってやまない肉感に満ちている。
そしてその胸は、一体どこに隠していたのかと問い質したくなる程に豊満だった。リルに勝るとも劣らない大きさの双丘は溜め息が出そうなほどに美しい形をしていて、仰向けに寝ているというのに崩れずにツンと形を保っている。
先端はほとんど肌の色と変わらぬ淡い桃色をしていて、Olをして摘んでしまうのが勿体なく感じる程の汚れのない美しさであった。
どうしましたか、Ol?
思わずその肢体を舐めるように眺めるOlに、フローロは身体を隠す様子もなく問うた。
Olは先程剥ぎ取った粗末な服に目を向けた。服と言ってもろくな縫製もしていない、薄っぺらなボロ布である。とてもこの大きさを隠す余地などなさそうに見えるのだが、と思いつつ、Olはそこに手を伸ばす。
幻覚や作り物ではない。ぐにぐにと揉みしだくOlの指に従ってその形を変える柔らかさと、手のひら全体をぐっと押し返してくる弾力。Olのよく知る乳房の感触そのものだった。それもただの乳房ではない。極上のさわり心地と大きさを持ったバストだった。
?Ol?
無心で胸を揉みしだくOlを、フローロは不思議そうに眺める。本当に全く知識がないらしく、羞恥も不快感も感じていないようだった。
ふむ脚を開け
?はい
そう命じれば、彼女は躊躇いなく秘所をOlの前にさらけ出した。Olは己の指先を唾液で濡らし、秘裂を軽くなぞる。
んっ
すると、フローロは流石に小さく声を漏らす。と言っても快楽というよりは、普段触れられない場所に触れられたくすぐったさに近いものだろう。とはいえ、それは快楽に極めて近い感覚だ。
性感というのは舌の味覚や指先の器用さ、あるいは筋力と同じだ。繰り返し繰り返し練習を積むことで発達していく。何も知らないまっさらなフローロの身体を女にするには、本来であれば何日もかけて開発していく事が必要だ。
無垢な身体をじっくりと自分好みの色に染めていくのも一興ではあったが、覚悟を量るためという名目もある。それに何よりOl自身に、そこまでの猶予が残されてはいなかった。
んっ!
故にOlは、魔術を使った。闇の中を見通すように、巨人の如き力を備えるように、性感も当然魔術によって倍増させることが出来る。
Ol、今のはあっ!
ついと魔力を帯びたOlの指先がフローロの膣口を撫で、彼女は敏感に反応して声を上げる。
何、ですか?っ、ああっ!
戸惑いながらも問う彼女に答えず、Olはフローロの乳首を摘み上げた。指先でこね回してやると、そこはすぐに硬くそそり立つ。小さく可憐な蕾が健気に張り詰める様子は主人にそっくりだ。
オウ、ルふぁあっ!
耐えろと言ったはずだぞ
Olがそう告げると、フローロはハッと目を見開いて、口を引き結んだ。
声はいくら出しても良いからな
言いつつ、Olの指先がつぷりとフローロの膣内に侵入する。
あっ、んっ!
フローロは言われた通り、素直に声を上げた。とろりとした透明な液体が彼女の中から分泌され、Olの指を汚す。十分に感じている証拠だ。
んっ、ふ、あっんんっ、ふあぁっ!
ゆっくりと指を差し込み、中の壁を撫でながら引き抜き、もう一度侵入する。Olが指を動かす度にフローロは身体を震わせて、高く嬌声を上げた。
んっ、あふぅっんんっ
その声は次第に色を帯び、フローロは肩で荒く息を吐きながら、潤んだ瞳でOlを見つめた。その行為の意味はわかっておらずとも、この行為に先があることを本能的に察しているのだ。そして、無意識に彼女はそれをOlにねだっている。
ぬぷりと、Olの指が一際深くフローロの膣を穿つ。その指先が、柔らかなひだに触れた。膣口をぐるりと覆うように包むそれは、彼女の純潔の証だ。
んっあ、んっは、ぁっんっ
その柔らかな膜を傷つけぬよう、優しくOlの指が撫でる。そんな刺激も今のフローロにとっては十分すぎるほど強いもので、彼女は内ももをピクピクと震わせながら喘ぎ声を上げた。
んっ、あっんんっ!は、んんんっ!
処女膜をなぞりながら、ぎゅうと乳房を鷲掴みにし、その先端を親指と人差指で押しつぶす。フローロはたまらず高く鳴きながら内ももに力を込め、背筋を反らした。
絶頂に達したのだ。
あっ、んんっ、あぁんっ、ぅんっ、あっ、や、ぁっ!
だが彼女が達しても、なおもOlの指はフローロの膣内を蹂躙することをやめなかった。文字通りの処女地を嬲る指先を、フローロの膣口が無意識に締め付ける。
ああああっ!?んっ、くぅっ!ああああ、あああああっ!?
フローロは指先が白くなるほどキツくシーツを握りしめながら、何度も何度も絶頂に達し叫ぶように声を上げた。
溢れ出る愛液はOlの手首までを濡らし、ベッドの上に小さな泉を作っている。