それをまるで、幼児のような頼みをしてしまった。
お前は甘えたがりだな
悔やんでいれば優しげな声と共に、Olの手が両脇に差し入れられる。
かと思った瞬間、メリザンドの身体は軽々と持ち上げられていた。
そら、これで良いか
うっ、うん
Olはそのまま立ち上がって、高くメリザンドの身体を持ち上げる。
ててさま、重くない?
侮るでないわ。お前一人の体重ごとき、綿のようなものだ。そら
そのまま、身体を回してメリザンドを振り回すように揺らして見せた。
わ、わ、ててさま、あぶない!
俺が抱えているのだ。危ないことなどあるものかおおっと
Olの腕が外れ、メリザンドは宙を舞いながら息を呑む。
だがそれはほんの刹那の事だった。
メリザンドの身体は目に見えぬ何かに受け止められたかと思うと、するりと坂を滑ってOlの腕の中に納まる。サイノカミとの戦いの際マリーを受け止めたのと同様の、見えざる迷宮(ラビュリントス)で作り上げたスロープだった。
驚いたか?
もう、びっくりした。ててさまのいじわる!
悪戯っぽくいうOlに、メリザンドは腕を振り上げる。
と、その拳が妙に小さい事に気が付いた。
あれ?
よくよく見てみれば身体はどこもかしこも縮んでいて、ふわりと緩くウェーブしていた髪はまっすぐ伸びてメリザンドの肩にかかっていた。
マリーの身体を写し取ったものではない。メリザンド本来の姿だ。
親子の真似事をするのなら、その姿の方がやりやすかろう
メリザンドはこくりと頷いて、Olの胸板にこつんと額を当て、目を閉じた。
わかっていたのだな
そして口調を元に戻し、低い声で問う。
髪とOlの胸とで隠した顔は、羞恥に真っ赤に染まっていた。
どうした方法を使ったのかわからないが、メリザンドの姿をマリーと同期させる呪いはそれなりに強力なものだ。少なくともこの場で簡単に解けるようなものではない。
となれば、事前に用意していたに違いなかった。
さて、何のことやらな
Olは空惚けながら、艶やかなメリザンドの髪を撫でる。
もっと
顔を伏せたままぽつりと呟く小さな妻の要望に応え、Olは穏やかな時をしばし過ごした。
第7話王の帰還を祝いましょう-3
ところで、この格好は一体どうやったのだ?
ひとしきり頭を撫でられ半刻(一時間)ほど。
ようやく満足したのか、ふとメリザンドは己の身体を示してそう尋ねた。
Olのことだから成長の呪いが無に帰したなどというヘマはしていないだろうが、それでもかつてあれほど忌み嫌っていた不変の肉体。多少の不安はあった。
新大陸とこの地を結ぶのに、ミシャサイノカミという神の力を借りたという話は既にしたな
Olの言葉に頷きつつも、それと何の関係があるのか、とメリザンドは首を傾げる。
その神と交わったせいで、俺にも多少そいつの力が使えるらしい。といっても大したことは出来ぬが
交わって力を得る?異国の神というのはそのようなものなのか?
なまじ神という存在をよく知っているだけに、メリザンドは思わず驚き問うた。
そもそも神と交わるという概念自体驚きではあったが、よくよく考えてみればその対となる悪魔とはしょっちゅう交わっているのだから、さほど不思議はないのかもしれない。
いや、サイノカミが例外だ。奴は情交を司る神でもあるからな。それで、俺が巫女男の場合は神主というのだったか。そのようなものになっているという事らしい
ああ。マリーが習得した技術か。しかし空間を繋ぐ力で、どうやって私を元の姿に戻したんだ?
メリザンドの素朴な疑問に、Olはうむと頷いた。
サイノカミの力は単に物を遠くに移動させるというものではない。境界を司る力だ。お前とマリーの肉体は魔術によって同期している。いうなれば、境界をあえて無くしているという状態だ。そこをこの力で隔ててやれば
Olがメリザンドの頬に軽く触れると、一瞬にして彼女の身体は大きく膨れ上がってマリーそっくりの姿になり、更に再び本来のメリザンドに戻る。
この通りだ。呪いの影響を隔てただけで呪いそのものが消えたわけではないから、どちらの姿になるも自由自在というわけだ
呪いを、隔てる
己の小さな手をじっと見つめるメリザンド。
悪いがこの力で、魔道王のかけたお前の呪いを無効化してやることは出来ぬ
その意図に気づいて、Olは言いづらそうにそう言った。
その呪いはお前の身体の奥底にあまりに深く根付いている。境界自体が存在せねば、サイノカミの力は効果を成すことが
違う。逆だ
Olの言葉を遮って、メリザンドは声をあげる。
遮るのではない。その逆。繋げる方だ
震えるその声は徐々に熱を帯びて、
呪いそのものは消せないだろう。だがその一部を無効にすることはできるのではないか!?
最後には半ば叫ぶように、メリザンドはOlの肩を掴んだ。
一部そういう事か
メリザンドにかけられた魔道王の呪いは、ただ老いず死なないというだけではない。
穢れを防ぐため、男と交わることが出来ないという効果もまた、備えていた。
いかなる力をもってしても、その秘所には侵入することが出来ないのだ。
出来るやもしれん
Olの見立てでは、その呪いは入り口を膜の様に塞いでいるだけで、その内までを満たしているわけではない。であれば、サイノカミの力なら侵入できる。打ち消すことは出来なくとも、内と外とを繋いでしまうその力の前にはどれほど堅牢な扉も無力だからだ。
試してみるか?
Olが問えば、メリザンドはしばしの逡巡ののち、こくりと頷いた。
待ってくれ
ならば元の姿では差しさわりがあるだろう、とOlが彼女の頬に触れようとすると、メリザンドはそれを止めた。
そのできれば、この姿のままお願いできない、だろうか
本来の姿でか?
Olは思わず、メリザンドの姿をまじまじと見つめた。
幼い頃に成長を止められてしまったその肉体は、あまりにも小さい。とてもOlのものを受け入れられるようには見えなかった。
いや、すまん、忘れてくれ。このような姿では、勃つものも勃たぬな
見くびってくれるなよ
メリザンドに挑発するようなつもりはなかったが、Olはそれを聞き咎める。
どのような姿をしていようとも、お前はお前だ。そこは問題ではない
ならば
メリザンドは小さな手でぎゅっとOlの手を握り、彼の顔を見上げていった。
おねがい
わかった
Olは目を閉じ熟考したのちに、渋々と頷いた。
では、いくぞ
う、うん
互いに一糸纏わぬ姿となり、ベッドに横たわるメリザンドはその目を大きく見開きOlのものをじっと凝視していた。
散々見慣れたものであろうが
そうだけどその、わたしでちゃんと大きくしてくれたんだなって
一応言っておくが、相手がお前だからだぞ。あの変態(ロリコン)と一緒にしてくれるな
その視線に気づいて言えば誤解を招きかねない言葉がかえってきて、Olは渋面で釘をさす。
うんわかってる
こくこくと頷くメリザンドの身体は、本当に小さい。
呪いなどなくとも、とてもOlのものが入りそうにはなかった。
本当に、良いのだな
うん。して、ほしい
くどいと思いつつも再度確認すれば、メリザンドははっきりとそう答えた。
うむ呪いをごまかすのは、まずは成功しておるようだな
Olはゆっくりとメリザンドの秘所に指を埋めていき、境界を開く力が正常に機能していることを確かめる。本来であれば、爪の先さえ入れることはできないはずだ。
うんわかる。わたしの中に、Olの指が入ってきているのが
それだけで、メリザンドは感動に打ち震えた。
数千年もの間誰も入ることを許されなかったそこに、今ようやく侵入が果たされたのだ。
やはりキツいな
しかし裏腹に、Olの表情は険しい。
入れたのは小指であったが、それでさえメリザンドの中は先端が辛うじて入る程度で、それ以上先には進めそうもない。本来ならば時間をかけて慣らしていくところだが、メリザンドの不変の肉体に対してはそれすら不可能なのだ。
大丈夫。無理やり、入れてしまっていいから
ならば痛みだけでも魔術で消すか
そういって空中に紋様を描こうとするOlの指先を、メリザンドは握る。
お前、何を
最初だけ。どうせこの身体には、一切の痕跡が残らない。だったらせめて痛みという形ででも、記憶に刻み込んで欲しい
ぎゅっと指を握りしめる彼女に、Olは深くため息をついた。
わかった。お前の我儘など、そう滅多にあるものではないからな
くしゃりとメリザンドの髪を撫で、Olは彼女の中心に己のものをあてがう。
悪いが優しくしてはとても入らん。一息に行くから覚悟しろよ
メリザンドはこくりと頷いて。
きて
両手を伸ばし、そういった。
Olは小さな彼女の身体を抱きしめて、勢いをつけ一気に突き入れる。
狭く小さい肉の穴を無理やりこじ開け最奥まで辿り着いても、Olのペニスは半ばまでしか埋まらない。引きちぎれんばかりの強い締め付けは痛みを伴うほどだったが、メリザンドはその比ではないだろう。
う、あ
大丈夫か?
大丈夫なわけがないと知りつつ、ぼろぼろと涙を流すメリザンドの頬を撫でる。
ちがう
だがメリザンドは、ふるふると首を振ってOlにしがみついた。
うれしい、のやっと、ほんとうのいみで、おうるとひとつになれて
普段とは似ても似つかない、どこか舌足らずな幼い口調。
だがそれこそが本来のメリザンドの数千年を孤独に過ごし、強く狡猾であらねばなかった幼い娘の、素の声色なのだろうとOlは察した。
メリーは存外、泣き虫だな
目元の涙を指で拭ってやると、メリザンドはその指をぱくりと口に咥え、ちゅうと吸いつく。
かと思えば舌を伸ばして根元から舐め上げ、唾液を絡めて唇で愛撫する様は、その幼い容貌から発せられているとは思えないほどの色香があった。
痛みを、消すぞ
メリザンドの答えを待たず、Olは彼女のすべすべとした腹に指先で紋様を描く。
そしてふと、あることを思いついて更に紋様を一つ追加した。
っ!?これ、は?
途端、メリザンドの身体が跳ねる。
痛みを快楽に変換するようにした。これならばお前も少しは楽しめよう
まっ
待てぬ
言ってOlはメリザンドの腰を掴むと、その身体を持ち上げるように引き抜き、そしてもう一度突き入れた。
ぁぁっ!
途端に、悲鳴のような嬌声が上がる。
いや、事実それは悲鳴であったかもしれない。
だがそうだとしても、もはやOlは堪えることが出来なかった。
あぁっ、おうる、おうるぅっ!
艶を帯びた声でしきりに彼の名前を呼びながら、メリザンドはOlにしがみつく。
平らな胸も、短い手足も、括れの乏しい腰つきも、薄い尻も、彼女の身体は何もかもが未発達でなのに、Olを見つめるその瞳は、声色は、どこまでも女であった。
そのギャップに、Olの辛抱は限界を超えていた。
いいっ、いいの、もっとして、おくまでいれて、おかしてぇっ!
突き入れる度にメリザンドの下腹はOlの形にぽこりと膨れ、根元まで埋め込まれた男根は子宮の奥までこじ開け入り込んでいるのだろう。人形のように軽い身体を揺さぶられながら、身体を壊すほどのまぐわいを快楽として受け取りあえぐメリザンドの姿はこの上なく淫靡で、Olの雄はますます猛って彼女を激しく犯す。
狭くキツい膣は大量に分泌される愛液によってぬめりを帯びて、極上の締め付けを味わえる快楽の穴となって、一突きするごとに背筋を稲妻が駆け抜けるかのような快楽だ。
出す、ぞ!
うんっ!きて、きて、きてきてきて!!
Olの宣言に、メリザンドはぎゅっと体中で彼の下腹にしがみつくようにして。
おくにちょうだい、ててさまぁっ!
メリザンドの叫ぶような懇願と同時に、Olは彼女の中に欲望を解き放った。
大量の白濁がメリザンドの子宮の中に直接吐き出され、犯し、満たしていく。
それだけでは止まらず、Olは吐き出す精をメリザンドの胎内に押し込むかのように二度、三度と腰を埋めては、更に彼女の膣内に子種を注ぎ込んだ。
お前今のは
まるで無限に続くかのような長い長い射精の後、荒く息を吐きながらOlが問うと、メリザンドは耳まで真っ赤に染めながら両手で顔を隠していた。
ちがうちがうの、その、べつに、そういうことじゃなくてたんにまざったっていうか、その、ええと
顔を隠したまま、メリザンドは弁解なのか何なのかよくわからないことをもごもごと口にする。
父親に甘えたいという気持ちと、恋人に愛されたいという気持ち。
メリザンドの中でそれはとても近しいもので、どちらも望むべくもないと諦めていたものそして、Olが与えてくれたものだった。