物のように扱われ、人形を犯すように純潔を失いたいというのなら構わんが。お前はそういった性癖を持っているのか?

いいえ、そういうわけでは、ありませんが

ならばもうしばし待て

Olの言葉にイェルダーヴは押し黙るが、あまり納得がいっていないようでもあった。肉体の制御を失い表情や身体はピクリとも動かないのに、そんな雰囲気が漂うというのも奇妙な話だ、とOlは思う。

では、別にもう一つ、お願いしてもよろしいでしょうか?

しばしの沈黙の後、おずおずとイェルダーヴはそんな事を言い出した。

第12話戦後処理を片付けましょう-2

ついたぞ

ご面倒をおかけします

イェルダーヴの身体を横抱きにして、Olがやってきたのは浴場であった。

火山を丸々取り込んだソフィアのダンジョンの中には、大小様々な浴室がある。

彼らがやってきたのはその中でも比較的こぶりな一室だ。

身体を洗って欲しい。それが、イェルダーヴの告げた望みであった。

無論、わざわざ魔王にさせるようなことではない。侍女でもリルにでも頼めばいいことではある。つまりそれは、露骨な誘惑だ。何をそんなに焦っているのやら、とOlは内心嘆息した。

一体何を企んでいる?

言えません

尋ねれば、素直にそう返ってくる。魂から直接発せられる言葉は、嘘を言うことは出来なくとも黙っていることは出来るのだ。

まあ良い。俺を害するような理由ではないのだろうな

はい。それは勿論です

そうとだけ言質が取れればいい。彼女が文字通り手も足も出ないのは確かなことなのだ。Olに何かを能動的に仕掛けられるような状態であれば、こんなに苦労はしていない。

ならばいい。脱がすぞ

脱がすと言っても、イェルダーヴが身にまとうそれは殆ど服の用を成してはいなかった。リルが普段着ている服よりも身体を覆う面積が小さく、扇情的だ。そのくせ、面紗で顔の半分は覆われて見えないのがかえって蠱惑的であった。

それを取り払って現れた顔立ちは、存外に若い。いっそ幼いと言ってしまってもいいかもしれないくらいだ。ふわふわとウェーブした紫色の髪に、宝玉のように澄んだ紫の瞳。どこか儚げな美しさを持つ姉(ザナ)とは違って、柔らかな愛らしさがあった。

しかし下には、あどけない顔立ちに不釣り合いな二つの膨らみが強烈に己の存在を主張している。そこを覆う布は肩と首にかかった金枠からまるでカーテンのように垂れ下がっているだけで、めくり上げればすぐに褐色の双丘と、恥ずかしげにその頂点を彩る薄桃色の蕾が丸見えになってしまった。

いい趣味をしているな

王のウセルマートの趣味です

Olの皮肉に、イェルダーヴは消え入りそうな声で答える。自らの意思を全て封じられていたのだ、本人の趣味でないことは明白だった。

これはどうああ、ここか

服と呼んでいいのか判断に悩むそれの金具を、Olは一つ一つ外していく。そして最後に腰を覆う小さな布を取り去れば、イェルダーヴは一糸まとわぬ生まれたままの姿となった。

その美しさ、悩ましさと言ったら。小柄な体つきとあどけない顔立ちは否が応でも庇護欲をそそるような幼げな様でありながら、胸元の二つの果実ときゅっと括れた腰つき、そしてむっちりとした大きめの尻に滑らかな太腿は、これ以上ないほどに女としての色香を身にまとっている。濃い褐色の肌が、その魅力に更にエキゾチックな味わいを加えていた。

男ならば、誰もがむしゃぶりつかずにはいられないであろう、その肢体。もし興味を持たない男がいるならば、それは同性愛者か幼児性愛者くらいのものだ。

いかがで

自身もそれを知りながら、控えめな声色で尋ねるイェルダーヴ。その頭に、Olは桶で掬った湯を思い切りぶちまけた。

途端、ふわふわの彼女の髪の毛は顔に身体に張り付いて、見る影もなくなってしまう。

な、なにを

Olが指を振ると、石鹸や洗い布が浮遊してイェルダーヴの身体をあっという間に泡だらけにし、磨き上げていく。そして再び湯をざばりとかけられすっかり垢を落とされると、浴槽に叩き込まれた。

酷いです、こんな、こんな

洗ってほしいと言ったのはお前であろうが

確かにそうは言った。言ったが、このような扱いを求めてのことではない、とイェルダーヴは思う。なんというかもっと、色めいた雰囲気を求めての発案だったのだ。断じてこんな、犬猫を洗うような下手をすれば衣服を洗うかのような雑な扱いを望んでのことではない。そもそも、Ol自身は服を脱いでさえいなかった。

そんなにわたしには魅力がありませんか

別に、そういうわけではないが

むしろ、真逆だ。流石に欲望に負けて襲ってしまうと言うほど自制心が薄いわけではないが、その身体に触れれば男として欲情しないわけがない。自由を取り戻すまでは手を出さないと宣言した手前、生殺しの気持ちをわざわざ味わう気にはなれないだけだった。

無論、巨大な後宮を抱える魔王には、溜まった欲求を吐き出せる相手は何十人、何百人といる。しかしイェルダーヴに対して抱いた劣情を他の女にぶつけるなどいうのは、Olのプライドが許さない。

でしたら何故、触れても下さらないのですか

言っただろう。お前が望むのなら、自由になった後で幾らでも抱いてやると

そのような慰めを仰らないで下さい。わかっているのです。わたしが

震える声で、イェルダーヴは言った。

わたしのこの身が、穢らわしく、おぞましいものだと言うことは

何の話だ?

またぞろ、呪いだなんだと言い出すのだろうか、とOlは思った。ホデリやホスセリといい、この大陸の人間はとかく面倒くさい。

能力の為に犯されこそしませんでしたがこの身体に、ウセルマートが触れていない場所はありません。そのような女を、陛下のような方が好むわけもありません

だが、イェルダーヴの口から語られたそれは、面倒だと切って捨てるには重いものだった。

そんなことは言っておらぬ。その忌々しい首輪さえ外れてしまえばああ

唐突に、Olはそれに思い至った。

お前、それが外れぬと思っているのか

Olにとってすればそれは、多少面倒な錠前に過ぎない。下手に壊せば中身の魂ごと壊れてしまうから慎重になってはいるが、けして解除できないような代物ではない。

けれど、イェルダーヴにとっての首輪は、長年己を縛り付けてきた絶望の象徴だ。それを外せるなど、にわかに信じられないのだろう。

この服従の首輪は、永遠の隷属の証。魂ごと破壊する以外に外す方法はないのです

イェルダーヴの言うことは正しい。この首輪には、外して魂を解放するための機能が一切なかった。普通なら何らかの解除方法は用意しておくものだが、ないものはない。

だが、それは外せないという事を意味しない。やりようはいくらでもある。そう思うのは、Olが優れた魔術師だからだ。イェルダーヴにはその実感がない。Olがありもしない希望を言って聞かせているものと感じているのだろう。

仕方あるまい

そう信じ込んでいる彼女に、どれほど口で理屈を説いても無駄なことだ。態度で示す他ない。

ならば望みどおりにしてやる

陛下?

服を脱ぎ捨て、浴槽へと入ってくるOlにイェルダーヴは怪訝な声を上げた。

触れても構わんな?

それが、陛下のお望みであれば

念のため尋ねれば、すぐさまそう返ってくる。Olとウセルマート。やっていることにそう差はないだろうに、何故こうまで懐かれているのか、とOlは首をひねるばかりだ。

とは言え、本人がそういうのならば是非もない。

Olはイェルダーヴの背に腕を回すと、彼女を支えながらその形の良い顎を持ち上げて、まずはその艶やかな唇を奪った。

あっ!?

口を塞いでも、首輪から直接出力される心の音には無関係だ。漏れ出る驚きの声には、ただOlの行動が意外であったという以上の響きがあった。

何だ。何かあったのか

いいえ、その

言いづらそうにイェルダーヴは答える。

口づけをされるのは、初めてでしたので

全身触れられたと言っていなかったか?

そう答えつつも、Olはイェルダーヴを抱きしめ、その耳元から髪、首筋、鎖骨の辺りへと丹念に口づけを落としていく。

それは、その、そう、ですが

何となく想像はついた。Olがウセルマートと実際に対面したのはごく僅かな時間だったが、尊大な王であったことは疑うべくもない。わざわざこんな風に女を慈しむような事はしなかったのだろう。

洗うぞ

Olは石鹸を泡立てると、自らの手にそれを盛りつけ、イェルダーヴの身体を後ろから抱きすくめるようにして抱えた。その腕を伸ばしてやり、二の腕から肘、手のひらから指の間までを丁寧に丁寧に洗い上げていく。

両腕を泡まみれにしてやって、胸元へと手を伸ばすと、その先端はピンと硬く尖っていた。身体の制御を失っても心臓が動きを止めないように、彼女の肉体そのものはきちんと反応しているのだ。

あその

自身もそれをわかっているのか、恥ずかしげに声をあげるイェルダーヴに答えることなく、Olは柔らかな双丘を優しい手つきで撫でた。むっちりとした乳房は触れているだけで気持ちよく、途方も無いほどに柔らかで、思わず揉みしだいてしまいたくなる。だが彼は精神力を総動員してその誘惑に耐えた。柔肉を持ち上げ、その下側までも丁寧に洗い清めていく。

あの、陛下当たって、ます

だが、反応する己自身までは堪えることが出来なかった。この状況で反応せねばそれは不能だ。密着している関係上隠すことも出来ず、硬く反り立ったOlの愚息がイェルダーヴの尻に当たる。

だからどうした

そのままして下さっても

せんと言っただろうが

このままイェルダーヴの腰を掴んで突き入れ、その膣内に白濁をぶちまければどれほど気持ちいいだろうか。本人も良いと言っているのだから、もはやそうしないのはただOlの意地でしかなかった。

胸を洗い終えて、Olはイェルダーヴの腹から腰に掛けてを撫ぜる。余分な贅肉など欠片もついていないなだらかな腹は、殆ど胸や尻と変わらないほどの破壊力を備えていた。きゅっと括れた腰つきも、Olの獣欲を刺激し理性を削るには十分だ。

だが、そこから下。尻と太腿に至っては、さしもの魔王も己の選択を後悔し始める程の力を秘めていた。同じ生き物の肉とは思えぬ、何故形を保てているのかと疑問に思ってしまうほどの柔らかさ。

ことに内腿の触り心地ときたら、Olでさえ思わず手を止めその感触を堪能してしまう程であった。しかし魔王は強靭な精神力で持って一瞬で我に返り、作業的に彼女の身体を洗いきる。

後はここだな

Olは言ってイェルダーヴの身体を寝かせると、その脚を割り開いた。

陛下、そこは!

汚れの溜まりやすい場所だ。しっかりと清めねばな

花弁を割り開くと、褐色の肌とは裏腹に鮮やかなピンク色の肉が覗く。その奥に、彼女の純潔の証拠までが見て取れた。Olは躊躇わず、彼女のそこに口をつける。

いけません、そこは汚い、穢らわしい場所です

だから清めるのだろう

イェルダーヴは必死にOlを止めようとするが、文字通り手も足も出ない。Olは構わず、彼女の秘芯に舌を這わせた。

ああぁっ!駄目、です!そんな、陛下!

断続的に声を上げるイェルダーヴ。

あぁ、ああぁぁっ、ああぁぁぁっ!

その声が、不意に二重に重なって聞こえた。

喘ぎ声というのは元々、意識と無意識の間にある。それは声ではあるが、快楽が身体を震わせ鳴らす音でもあった。イェルダーヴの肉体が反応し、声を上げているのだ。

なるほど、その手があったか、とOlはあることを思いつく。

悪いが、少し本気を出すぞ

そう言って、魔力を込めた指先で彼女の下腹部に紋様を描いた。それは、性感を増幅する魔術だ。

ひあぁぁっ!

途端、イェルダーヴの腰が跳ねた。

魂を封じられても、イェルダーヴは周囲を見聞きし、触れられた感触を認識している。それはつまり、魂は完全に封じられたわけではなく、何らかの経路が肉体との間に繋がっているということだ。

あ、や、駄目、陛、下ぁっ!駄目、あぁっ、ふあぁぁっ!駄目です、もう、あぁぁぁっ!だめぇ、イッちゃ、あぁぁ!

イェルダーヴの魂と肉体の声がブレ始める。

外から首輪を破壊すれば、中の魂諸共に砕けてしまうだろう。

だが、中から破壊すれば?

勿論、常人の魂に物質を破壊できるほどの力は存在しない。魔術を使うためには詠唱や印つまりは口や舌、身振り手振りが必要であって、魂だけでは普通は使えない。

普通は、だ。

あぁあぁぁぁ、ああぁぁぁぁっ、あああぁぁぁぁぁっ!

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