ザナの舌が肉塊のくびれをなぞり、その動きに従って彼女の紫水晶のような美しい髪がさらりと揺れる。Olは半ば無意識にそれを撫でながら、更に指示を飛ばした。
いいぞ次は先端を咥えながら、同じようにしてみろ。ああ悪くない
はむ、と亀頭を口に含んで、ザナの舌が口内でレロレロと雁首を刺激する。慣れていないだけで、物覚えは悪くないらしい。ザナはあっという間にコツを掴んで、にんまりと笑みを浮かべた。
ここが、いいんだ?
むっ
裏筋をちゅうと吸うザナに、Olは思わず声を漏らす。
音、立てるのもいいの?んっこう?
ザナはわざとじゅぽじゅぽと下品な音を立てながら、逸物を口から出し入れする。見るからに品よく整った彼女が、大きく口をあけてグロテスクな肉塊を舐めしゃぶるその様は、言いようのないギャップがあった。
口で、先を吸いながら手で、強く扱け
僅かに余裕を無くしたOlの言葉に、ザナは言われた通りに手に力を込める。
んっ、ん、んっ、ふ、ん、んんっ
小さく息を漏らしながら扱き立てるザナの手つきに、Olの腰からぞくぞくと射精感がこみ上げてくる。
Olはそれに逆らうことなく、両手でザナの頭を掴みながら宣言した。
んぶっ!
手を、止めるな!
口内に流し込まれる白濁の液に止まりかけたザナの手が、Olの命令によって再び動き出す。二度、三度と断続的に精を注ぎ込まれながら、ザナはそれを更に搾り取るように手で扱いた。
ぐっ、うくは、ぁ
Olが精液を吐き出しきって荒く息を吐いたあともザナは止まることなく彼の肉槍を扱き続け、尿道の中の子種を吸い出すようにちゅうちゅうと吸う。
それも最後の一滴まで吸い出したあと、彼女は肉棒に吸い付いたまま、終わった?とでも聞きたげにOlを上目遣いで見つめた。
ああ。もう離していいぞ
Olがそう告げると、ザナは唇で肉槍を撫ぜるように慎重に口を外しながら、口内に溜まった精液をごくりと飲み干す。
まっずい
そして盛大に顔をしかめながら、舌を出して悪態をついた。
なにこれ、凄くまずい。生臭くてしょっぱくて喉に絡むし。水、水
そして慌てたように水差しから水を取ると、口を濯いで吐き出したあと、新しい水をニ、三杯流し込んだ。
別に飲み込まずとも、吐き出しても良いんだが
は?そういうことは先に言いなさいよ!飲んじゃったじゃないの!
Olが言うと、ザナは眉を吊り上げて怒鳴った。
まあ俺としてはその方が嬉しいがな。そら、次はお前の番だ。ベッドに座って、脚を開け
何か言いたげなザナの表情を無視して、Olは顎をしゃくってベッドを示す。
これ、なんか間抜けっぽいんだけど
気にするな。誰が見ているわけでもない
文句を言いながらも言われた通り脚を開くザナの秘所に、Olは指を這わせた。
濡れてないな
何もしてないんだから、濡れるわきゃないでしょ
すぐに、俺のものをしゃぶっているだけで濡れるようになる
なるわけないで、しょっ。変態じゃない、そんなの
ゆっくりとほぐすように愛撫するOlの指先に身体を反応させながらも、ザナは吐き捨てる。
なるさ。お前はもう俺の奴隷なんだ。そうなるまでじっくり俺のモノを味わわせ、馴染ませてやる
変態
精一杯怒ったような声色は、しかし消え入りそうに小さい。
この程度で変態と呼ばれては、これからどうなることか見ものだな
Olは意地の悪い声で言うと、ザナの秘部へと口をつけた。
えっ、ちょっ待って!だ、駄目ぇっ、そんな、とこ、汚い、ってばぁ!
待たぬ
頭を押さえつける腕の力など、男にしてみればないも同然だ。ザナの抵抗を無視してOlは舌先を彼女の膣口の中に侵入させ、平でスリットを下から上へとなぞり、陰核を唇で軽く吸う。
駄、目だっ、てぇっ
その度にザナは身体を震わせ敏感に反応するが、拒否を示す腕の力はまるで抜ける様子がなかった。
何が駄目なのだ。お前も俺のものを舐めただろうに
だってあたしはもうあんたの、奴隷、なんでしょ
潤みを帯び始めた声色で、ザナは答える。
しろと言われたらなんでも、するわよ。でも、こんなのはされるのは、奴隷の立場なんかじゃ、ない
やはり、そこか。Olは内心で呟きながら、更にザナの意識を蕩かしにかかった。愛液が分泌されぬめりを帯びた膣内に、指がするりと入り込む。知り合って大して間もなく、肌を重ねたのもただの二度きり。
しかし、肉体よりも深く魂で繋がり合っていた女の身体を、Olはザナ本人よりもよく知り尽くしていた。
中に入れた指をくにりと曲げて膣壁を押さえれば、ザナの口から本人も聞いたことのないような高い声が漏れ出る。
そっこぉ!あぁっ!駄目ぇっ!
Olの指がもたらす快楽は、まるで痒くて痒くてたまらぬ場所を掻いてもらうかのよう。どれだけ抑えようとしても喘ぎ声が喉を突いて出る。ザナは大きく開いた両脚の間を責められて、顔を真っ赤に紅潮させながら両手で口を塞いだ。
責めて、甚振って欲しいのか?
ちゅぷちゅぷといやらしい音を立ててねばつく体液をこね回すようにザナの膣内を愛撫しながら、Olは低く囁く。
ぐっううっ!
己の手で口を押さえ呻くザナ。しかしそのほんの僅かな反応の違いを、魔王は違わず察し受け止める。
お前は咎められ、罰せられることを望んでいるのだろう
Olは彼女の秘所から唇を離すと、その腹に、臍に、胸元に口づけを落としながら、ゆっくりと彼女を腕の中に抱き寄せる。
話してみろ。この部屋には俺しかいないし、音が漏れるような作りでも無かろう
堪えきれぬ程の快楽を与える手つきから、優しく身体を昂ぶらせるだけのものへ。愛撫の質を変えながら、Olはそう命じた。
あんたを信用しろって、言うの?
疑うような、惑うようなザナの視線。
まさか
それを受けながら、Olは肩を竦めた。
俺は奴隷に命令しているだけだ。しろと言われれば何でもすると言っただろう?
悪びれる様子もなくそう言ってのける彼に、ザナの肩から力が抜けた。
あんたって、本当にろくでもない男ね
仮にも魔王だからな
悪態にもどこ吹く風で答える彼に、ザナはため息を一つつく。
あたしは本当なら、この国に要らない存在だったのよ
そして、ぽつりぽつりと語り始めた。
どこまでいっても白い雪に覆われた、小さく貧しい氷の国。この国に唯一恵みを齎すのが、太陽の力をその身に宿す姫巫女。その才能を持つがゆえに、あたしたちの一族は王として敬われていた
それは、Olの知るそれとはまた違った政治形態だった。政でも知でも力でもなく、個人の能を持って国を治める。小国だからこそ出来ることではあろうが、そんな国もあるのかとOlは感心した。
けどあたしには、その才能がまったくなかった。どれだけ学び努力しても、太陽神イガルクはあたしに対してその力を貸すことはなかった。あたしには王となる資格なんて、そもそもないの
それはよくあることなのか?
Olの問いに、ザナは首を横に振る。
いいえ調べたけれど、歴史上他にはいなかったわ。かといって、父が不義をなしたわけでもない。あたしのこの目と髪は、お母様に瓜二つだったから
神の力とやらは、女にしか宿らんのか?
ええ。巫女と言ったでしょう?巫女になれるのは女だけ。だからこの国の王は、代々女王よ
ザナの話を聞いて、Olはふむと己の顎を撫でる。しかし何かを言うことなく、続きを促した。
そしてあたしと違ってイヴには妹には、きちんと陽の巫女の才があった。この国の救いとなるその力をあたしは
唇を噛み締めて。
失わせて、しまった
ザナは血を吐くような思いで、そう吐露した。
あたしがあいつウセルマートをこの国に招いたせいで、ヒムロから太陽は失われた上に偽王が支配することになったのよ。その資格を持たない、偽物の王が。あたしは簒奪者なの
Olの手は、既に止まっていた。ザナは彼の腕に抱かれながら視線をシーツに落とし、消え入りそうな声で続ける。
だからあたしがイヴに王位を譲るのは、当然のことなの。あの子こそが、正当な女王なんだから
違うな
だがその言葉を、Olはスパリと切り捨てた。
それが本当であるなら、わざわざ芝居を打つ必要もない。単に王位を譲り渡せば良いだけだ。だがお前にはそうせず、わざわざあんな手段を取る理由があった
ザナが身を固くして、Olを振り向く。やめてと小さく声がその唇から漏れたが、構わずOlは続けた。
お前は、妹が妬ましいのだろう。己が欲する全てを持つ妹が。妬ましくて羨ましくてそう思う自分を許せぬから、滅ぼそうとした。愚かなことだ
あんたに、あたしの何がわかるっていうの!
ザナの瞳が怒りに燃え、Olを刺し貫く。しかし魔王は動じた様子もなく、答えた。
わかるさ。欲するものを手にできず、愛するものを裏切り、同時に裏切られ。自棄になって愚かなことをするのにもまあ、覚えはある
どこか苦々しげなOlの言葉に、ザナは突然、それを思い出した。それは二度目にOlと寝た時。起きてすぐに忘れてしまっていたが、彼女の奥底にしまい込まれていた記憶。
あの時はまだ、魂で繋がり合っていたからだろう。ウセルマートに裏切られ、その復讐に生きたザナの過去をOlが夢で見ていたように、ザナもまた、彼の半生を覗いていた。
最愛の師に裏切られると同時に裏切り、自暴自棄になり、そして力を求めてダンジョンを作り上げるまでの一生。それは彼にとってはもう半世紀以上も前の古い記憶だったが、その傷は風化することなくザナの胸に転写されていた。
無意識に、その記憶を封じてしまうほどに。
だが一つだけ、俺とお前には重大な差異がある
Olが指をパチンと鳴らすと、部屋の扉が開く。
お前にはまだ、取り返しがつく、ということだ
褐色の肌と、ザナによく似た顔立ちを持つ少女。
イェルダーヴの姿が、そこにあった。
第14話臆病者を焚き付けましょう-8
イヴ!?なんで、あんたが!
Olが事前に確認していた通り、この部屋の防音性は完璧だ。例え扉に耳をピタリと当てても、中の声など聞こえないように出来ている。
太陽神イガルクのもたらす全知の権能を持ってすれば盗聴も出来るだろうが、ザナとてそれの対となる月の女神マリナの力を持っている。防ぐことこそ出来ずとも、覗き見られればそれを察知する事くらいは出来るはずだった。
Olが、とぼけた口調でしゃあしゃあと言ってのける。
その首輪には、魂を封じる機能を削除したかわりに、別の機能を持たせてある
慌ててザナはイェルダーヴの首元へと視線を向ける。そこにもまた、同じ首輪が嵌まっていた。
怒りよりも先に、絶望と恐怖がザナの心を支配する。
全て、知られてしまった。過去を見るのはウセルマートの使う太陽神アトムの権能。心のうちと過去とは、イェルダーヴは見ることが出来ない。
イェルダーヴがウセルマートに捕らえられたのが、ザナのせいであること。
そしてザナがイェルダーヴの事を妬み羨んでいること。
ひた隠しにしてきたその両方を、知られてしまったのだ。
おやめ下さい!
反射的に喉元へと伸ばされたザナの手を、イェルダーヴが飛びつくようにして押さえ付けた。
ななんで
ザナは驚きに、一瞬動きを止める。刹那のうちに放たれる彼女の術は、動きを見てから飛びついて間に合うようなものではない。イェルダーヴは今、ザナより先に動き出していた。
伝わって、くるのです
イェルダーヴは己の首輪にそっと触れ、慣れない舌を懸命に動かしながら言う。
お姉さまの、心の声が
まさかこれが?
遅まきながら、ザナは気づいた。首輪は単に彼女の声をイェルダーヴへ伝えるものではない。その頭のうちで考えたことまでをも伝えてしまっている。ちょうど、Olとその魂を繋げた時のように。
装着したものの魂を抜き取り閉じ込める。悪趣味な魔導具だが、その有用性は認めてやらんでもない。こうして一部のみを取り出せば、その考えを読み取ることも出来る
魂そのものを繋いでしまえば、互いの思考を隠すことは不可能だ。しかし一部だけを取り出しそれを読み取るならば、これは容易い。元々外部へ声として出すように設計した首輪の追加機能を、別の首輪の装着者やOl自身へ念話として伝えるようにすればいいだけだからだ。
魂を生きたまま取り出したり、それを肉体以外の場所に安定させるというのは存外難易度が高い。Olのような優れた術者が自分に対して行うのであればともかく、首輪をつけるだけで有無を言わさず成し遂げるというのは中々の技術だ。それだけは認めてやってもいい、とOlは思った。