そう言って、マリーはラーメスの身体を後ろから抱きかかえるようにして持ち上げる。

Olさまにちゃんと、女の子にしてもらお?

し、しかし

この期に及んで、ラーメスは怖気づいた。だが逃げようにも身体はしっかりとマリーに押さえられていて、足すら地面につけることができない。

大丈夫だよ

彼女の耳元で、マリーは囁くように言った。

わたしが一緒に、こうしてぎゅってしててあげるから

ああ。頼む

その言葉にラーメスは覚悟を決め、Olに顔を向けて、彼を見上げた。

来て

まるで抱っこをせがむ赤子のように両腕を伸ばすラーメスに頷き、Olはマリーごと彼女を抱擁する。そして、何も受け入れたことのない無垢の秘裂に、己の先端を押し当てた。

一言そう告げて、男が、ずぶりとラーメスの膣内に侵入する。

破瓜の痛みに身を震わせるラーメスを、マリーの腕がぎゅっと強く抱きしめた。

少しだけ、辛抱しろ

Olは言って、ゆっくりと腰を奥深くまで埋めていく。

全部、入ったぞ

は、あぁはぁはぁ

まるで永劫にも思える、しかし実際には僅かな時の後、Olがそう言って動きを止めてようやくラーメスは息をついた。呼吸すら出来ぬほどの、恐ろしい苦痛。

よくやったな

しかし、Olに労われ頭を撫でられるだけで、そんな苦痛も打ち消されるほどの多幸感がラーメスに押し寄せてきた。

良かったね、ラーちゃん

良かった──の、だろうか?本当に?そんな疑問が、頭の片隅をふとよぎる。

だがそんな微かな疑問は、Olが抽送を始めた途端に弾けて消えた。

うっあぁぁっ!

ぐいと、身体の中を蹂躙される感覚。それは紛れもなく、苦痛以外の何者でもなく。

あぁっ!ひあぁっ!

なのに。なんで。

あぁぁぁっ!ひぐっ!あぁぁぁっ!

己の声は、こんなに甘く蕩けているのか。

あっ、あっ、あっ、あぁっ!

ずんと奥を突かれる度に、身体がバラバラになりそうな衝撃が全身を走っていく。マリーに身体を抱えられ、幼児が放尿するときのような格好で男に脚を開かされ、男の欲望のままに支配され蹂躙されて。

いぃっ!いぃ、よぉっ!

──ラーメスの身体は、悦んでいた。

ひぐぅっ!ひ、ぐぅぅっ!

男であったウセルマートは童貞でこそあったものの、女の味はよく知っていた。その口で、手で、胸で奉仕させたことは数え切れぬほど。

だが。今感じている快楽は、まったくの別物であった。

痛いのに、苦しいのに、それそのものが快感なのだ。

もっともっとぉっ!

もっと痛めつけて欲しい。もっと刻み込んで欲しい。

自分の奥を貫く男に自らしがみつき、ラーメスは懇願した。

そうねだらずともちゃんと、くれてやる!

Olはラーメスの両胸を鷲掴みにしながら、その唇を自らの口と舌とで塞ぎ、最奥にぐりぐりと突き入れる。

このまま、一番奥で、びゅびゅ~って射精してもらおうね

ラーメスを抱えながら、マリーは一切の悪意なく、無邪気にそう囁いた。

子宮の奥で好きな人の精液を受け止めて、赤ちゃんのお部屋に種付けしてもらって。女の子に生まれてよかったって、一番思う瞬間なんだよ

ラーメスの頭の中でチカチカと、警告の光が瞬く。それはあるいは、ウセルマートとしての、最後の抵抗だったのかも知れない。

けれど。

どくどくと流し込まれる大量の白濁に、それはすぐさま消え去った。

あぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁ!

彼女に残されたのは、己の内側が洗い流されていくような激しい快感と──

射精を終えたばかりの男根が眼前に突き出され、ラーメスはうっとりとしながらそれを舐め清める。

ちゅう、とその尿道に残った精液を吸い上げながら、彼女は己の股間を弄る。注がれたばかりの精液がくちゅりと音を立てて指先に絡みつき。

もっと注いで沢山、欲しい

男の精を受け止める。その為に己は生まれたのだという、確信だけだった。

第21話全知全能の神を斃しましょう-1

こんな時、どんな顔したらいいのかしらね

数刻後。門の前で合流したザナは、Olにぴっとりと張り付くようにその腕を抱きしめて歩くラーメスに、全てを察して天を仰いだ。

こんな時とは?

自分の妹を攫っていった憎らしくも惹かれていた男が、性転換して今好きな男にべったり張り付いてメス顔晒してる時

ホスセリの問いに、ザナは虚無を表情に貼り付けて答える。

笑うしかないんじゃないかな

あはは、と明るく笑うマリーは、ザナの鋭い目つきに睨まれてOlの背にさっと隠れた。

余の今までの行為、頭を下げたとて許されることではなかろう。誹りは甘んじて受ける。──すまなかった

しかし頭を下げるラーメスに、ザナのその目は丸く見開かれた。

そんな彼女に、イェルダーヴが一歩歩み出る。

ラーメス、さん

イェルダーヴいや、イヴか。そなたには特に、申し訳ない事をした

今までのラーメスは人を、人としてみていなかった。そうしなければ己の価値がないと思っていたのだ。

今なら、あなたとお友達に、なれる気がします

かすかに微笑んで、イェルダーヴ。

それにイェルダーヴというサハラ風の名前は、そんなに、嫌いではありませんから

本来の名を無視し勝手な名前で呼ぶその行為は、人を支配し所有する為の示威行為だったのかも知れない。

ま、良かったんじゃないの

細く長く息を吐き、ザナはぽんとラーメスの頭を叩く。男だった頃は見上げていた彼女の頭は、今は見下ろす位置にあった。

よくない

しかし、それに異を唱えるものがいた。ホスセリである。

そう言えば、因縁を持つのはイェルダーヴとザナだけではない。ホスセリもまた、唆され利用された挙げ句、太陽神に身体を乗っ取られると散々な目にあっていたのだ。

いかな咎でも受けよう

神妙な表情で向き合うラーメスの横をすり抜けて、ホスセリはOlにしなだれかかる。

御館様。私だけまだ抱いて貰ってない。私も抱いて欲しい

それは構わんが。いいのか、あれは

固まるラーメスを指して問うOlに、ホスセリは首を傾げる。

?別に興味ない

ふふふふふ、ふふふふふふ

スパリと言い放つホスセリに、ラーメスは不気味な笑みを漏らす。

貴様ら人が下手に出ていればいい気になりおって!良いか、Olは余の物だ!魔王の正妻、妻の中の妻たるこの余を差し置いて精液を貰えると思うな!

はあ!?あんたお情けで一回抱いてもらったくらいで何嫁面してんの!?

ラーメスがOlの右腕を抱きしめれば、対抗するようにザナは左腕を抱きしめて怒鳴り返す。

ほら人はそう簡単に変わらない

呟くホスセリはいつも通りの無表情だが、その声色にはどこか呆れが滲んでいた。

そうでしょうか

けれどイェルダーヴは楽しそうに笑んで、怒鳴り合う元氷の女王と元砂の王を見やって、言った。

随分、変わったと思いますよ

マリーの振るう剣撃が豪快な音を立てて、ピラミッドの天井を吹き飛ばす。

ううむ余のピラミッドが三度に渡り破壊されるのを見るのは、流石に複雑な気分だな

いいからさっさと登りなさいよ、後がつかえてんだから!

ぼやきながらマリーが降ろした縄梯子を登るラーメスのむっちりとした尻を、ザナは平手でぺしぺしと叩いた。

ピラミッドを抜け出した先、遥か彼方に聳える山に、ホスセリは目を見開いた。

姫様の山だ!

見間違えようもない、均整の取れた美しい火山。ヤマト一の名峰と讃えられた不尽の山が、遠くに見えた。

今度は走り出してくれるなよ

そう警告しながらも、Olは縄梯子を登って山を見据える。そここそが、目的地。太陽神が待ち受けているであろう、最後のダンジョンだ。

それは、いいんだけどさ

ザナはその手前。火山まで続く空中回廊を指差す。

あそこ、どうやって渡るの?壁ないわよ

それはフウロの国にあった風のダンジョンだ。谷を吹き抜ける風が壁となり、通路のみが連なる空中の迷宮。

宙に氷の壁を作れば風で消し飛ばされてしまうだろうし、かといって通路の上に壁を立てるにはあまりに狭すぎる。今までのようにOlの領域を確保しながら進むのは不可能に思えた。

Olは風のダンジョンに手のひらをかざすと、端的に言った。

全部氷で埋めれば良い

いや流石の余も、それは難しいぞ

なにせ風のダンジョンは縦にも横にも大地の果てまで続いているのだ。いくらラーメスが天稟を持つと言っても、それを埋めるだけの霊力など人にあがなえる量ではない。

何。人に無理なら、人でないものの力を使えば良いのだ

言ってOlは、ザラザラとした質感の白い玉を取り出した。

なんだっけ、それ

どこか見覚えのあるその玉を、マリーは矯めつ眇めつ眺める。

それは、マリナ様に贈った!

そう。龍の首の玉。火竜デフィキトの骨だ

言った瞬間、Olの手にした白玉から凄まじい量の魔力が溢れ出す。

竜というのは全身これ魔力の塊だ。肉、骨、腱、鱗に脂、血の一滴までもが、並の魔術師であれば消し飛ぶほどの魔力に満ち満ちておる

骨の一片でそこまでの力があるのか!?

瞠目するラーメスに、Olはしかし首を振る。

流石に一片、この程度の大きさでダンジョンを覆い尽くすほどの魔力はない。だが

溢れ出す魔力をマリーの剣で霊力に変換し、Olはそれをラーメスに注ぎ込む。そして生み出される巨大な火炎球を、再度変換して氷を形作った。

塞の神の権能を持って、この骨と残りの死骸との境界を取り払った。神代より生き続ける竜、まるまる一頭分の魔力を全て使えば──!

それはまるで、最高位の魔術師が使う隕石落下(メテオスウォーム)の魔術のような光景だった。違うのは、呼び出されたのが天上に漂う星ではなく、巨大な雪塊だというところだ。

一つ一つが小さな家ほどもある雪の塊が、次々とダンジョンに降り注いでは砕け、谷の合間を埋めていく。

Olの手にした竜骨がその役目を果たし、ぱきりと乾いた音を立てて真っ二つに割れる頃には、彼らの目の前には広大な雪原が広がるばかりであった。

さて。進むとするか

呆然とするマリーたちを尻目に、Olは何事もなかったかのようにそういった。

なんか、可哀想な気がするなぁ

雪に埋もれた怪物たちをみやり、マリーはぽつりと呟く。風のダンジョンで待ち構えていたのは、羽を持ち空から襲いかかるつもりの魔物ばかりであった。

そんな連中があの吹き荒れる氷雪の中無事でいられるわけもなく、大半が崖の下に撃ち落とされて、わずかに残った残骸が雪の重みに耐えきれなかった屍を晒していた。

飛行能力を持った魔物は空を飛ぶために軽量なものが多い。あの量の雪を食らってはひとたまりもあるまい

あの量の雪を食らったら飛行能力とか関係なくひとたまりもないでしょ

薀蓄を語るOlに、ザナが呆れた様子で突っ込む。

いずれにせよこれで、火山以外の全てのダンジョンを我が領域としたわけだ

間近に迫る不尽の山を前に、Olは改めて語る。

これで太陽神は逃げるわけにはいかぬ。手筈は良いな?

んうん

マリーは頷きながらも、不安げな表情を見せた。

ヤタラズを倒した後。Olは太陽神を追い詰めるための作戦を一行に語った。その方法に文句があるわけではないのだが

どこか、違和感があった。Olの立てた作戦は、あまりに不確定な情報の上に立脚していて、それは彼らしくないとマリーは感じていた。

今のだってそうだ。本当に、これでダンジョンは全てだっただろうか?

やはり来たか。魔王Ol

出し抜けに、その声は響いた。

まさかこんな入口で出迎えてくれるとはな

男のものとも女のものともつかぬ、透明な声色。

しかしそれを発するのは、誰よりも美しく、そして何よりも愛おしい娘の姿をした女神。

ソフィアとサクヤを返してもらうぞ、太陽神よ

全てを支配するまったき神に、Olは宣戦布告した。

第21話全知全能の神を斃しましょう-2

言ったはずだ。それは不可能であると

厳かに告げる太陽神を、Olは嘲笑う。

仮にも全知全能を標榜する神が不可能だと?

その挑発に、太陽神の形の良い眉はほんの僅か、しかし明らかに不愉快げに動く。

一番目だ

出し抜けに放たれた意味のわからない語句に、今度はOlが眉をひそめる番だった。

全知全能たる私が、あなたを滅ぼさなかった理由。それはテナが述べていた可能性の一番目。ただ単にあなたという存在に、滅ぼすまでの価値がなかったからに過ぎない

それは、Olが太陽神を倒すと決めた時、テナと交わした会話だった。

は。それで、俺達がお前のダンジョンの殆どを支配するまで待ってくれたと?随分お優しいことだ

内心の動揺を押し隠すようにOlは言う。

そこまでしてなお、あなた達は私の脅威とはなりえない。支配した、といっても──

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